院長の健康まめ知識

2017年9月15日 金曜日

初秋はビタミン泥棒!?気候ストレスで浪費する栄養とは

吉野です。こんにちは。朝晩と日中の気温差が大きくなってきましたが、皆さん如何お過ごしでしょうか。夜はめっきり涼しくなって寝つきも良くなった反面、晴れさえすれば日中はけっこう暑くなる日もあります。今はまさに、秋と夏が混在したような季節とも言えますね。その日中の暑さに関しても、昔から「暑さ寒さも彼岸まで」との言い伝えがある通り、もう2~3週間もすれば和らいでくるものと予想されます。

私は先の日曜日に、神奈川県三浦市へ出張してきましたが、昼頃は暑さでクラクラする程でした。久々に30℃越えだった模様です。ちょうど日傘があったので久々に開き、ずいぶんと助かりました。一仕事終えた後、城ケ島まで初めて足を伸ばしましたが、たいへん素晴らしい眺めでした。特に島の東端にある展望台からは、房総の山々がくっきりと青空に映えていました。暑さはあったものの、どこか秋の気配も感じる一日でした。
そしてもちろん三崎漁港のマグロなど海の幸も、しっかり堪能しました。驚いたのは、地魚料理を提供するお店の数です。こんなに多くて競争も大変ではないかと心配する程、本当にたくさんあるのです。城ケ島から戻ってきた後に、何となく「旨そうだ」と直感的に入ったお店は、お昼時を過ぎていたにも関わらず、殆んど満席でした。マグロ赤身の新鮮さも感動的でしたが、「マグロ珍味3点」は腰を抜かすほどの美味でした。

ところでマグロも結構なのですが、「秋の味覚」は何といってもサンマです。毎年の様にお盆過ぎ頃から店頭に並び始め、9月に入ると三陸沖などで獲れたサンマが値段も手頃になり、飲食店などの定番メニューとなります。ところが今年はスーパーでも飲食店でも、サンマをあまり目にしないのです。たまに見つけても値段が高く、また全般にサイズが小ぶりです。前述の三崎漁港のお店にも「サンマの塩焼き」がありませんでした。
サンマが少なく、しかも小型で高価なのは、ひとえにサンマの「不漁」のせいです。今年のサンマ漁は今のところ、不漁だった昨年よりも更に漁獲が減っているそうです。このところの不漁傾向は、昨年や今年に始まった事ではありません。不漁の原因としては一つには、地球規模の温暖化による海水温の上昇により、サンマが日本近海に寄り付かなくなった事が挙げられています。サンマが回遊コースを変えているというのです。

もう一つの原因は、中国や台湾など周辺諸国による「爆漁」です。サンマは北太平洋から三陸沖にかけて回遊していますが、三陸より遥か東方沖合の公海上に向かって、何十隻もの巨大な漁船団を組んで彼らはやってきます。公海上なので国際法上の違法性はないため、我が国としても表立っては取り締まりできないのです。北太平洋漁業委員会に漁獲枠の制限を提案しましたが、中国などの猛反発に遭ってしまいました。
サンマは日本特有の魚と考えがちですが、最近はそうとも言えなくなってきています。確かにサンマを用いた中国料理などは想像しにくいものですが、所得の向上や日本食ブーム、健康志向などの影響で、中国や台湾などでもサンマを食べる人が確実に増えてきているそうです。またサンマ漁は「カネになる」と思われている面があります。缶詰などに加工してロシア等へ輸出し、割の良いビジネスとして成長している模様です。


さて本題に入ります。前回までの考察で、晩夏から初秋にかけての時期に於ける体調管理の上で、運動とりわけ「水泳」が有効である、などと解説しました。雨がちな初秋は浮腫みやすいものですが、水泳は水圧の効果で浮腫みの改善に役立ちます。また晩秋から冬にかけてはメタボの季節となりますが、水泳は見た目よりもカロリー消費が多くなるため、今のうちにメタボ対策に取り組むには、うってつけの運動種目なのです。

水泳などの運動と並んで、何といっても「食事と栄養バランス」が初秋の時期の健康維持には、特に重要です。何回かご説明した通り、この時期は季節の変わり目で寒暖の差が大きく、また雨が多いため湿気が多く、体調が不安定になりやすいものです。例えば浮腫や倦怠感、不眠、憂うつ感、肩凝り、頭痛などの様々な症状が、夏場から引きずる形で遷延している人が少なくありません。いわゆる「秋バテ」のパターンの一つです。
初秋に限った話ではありませんが、体調が不安定になりやすい時期には、えてして栄養バランスが乱れがちです。それは食欲が低下して栄養の摂取量が減少する場合もありますが、もう一つの可能性として、気候の変動とそれによるストレス等により、栄養の「ロス」が多い事が考えられます。ビタミンやミネラル、タンパク質などの栄養素が、環境の変化などに対応するため、消費量が多くなるという事情があるのです。

栄養の消費が多くなるというのは、どのようなカラクリによるのでしょうか。例えばビタミンB群はタンパク代謝や糖代謝など多くの代謝経路に関与する栄養素群ですが、様々な理由により消費量の増大する場面が多々あります。実際に、野菜や肉、豆類などをバランスよく食べているはずなのに体調が悪く、血液検査をしたところビタミンB群が不足しているというデータが得られた、などという場合が少なくないのです。
それでは、どの様な場合にビタミンB群の消費量が多くなるのでしょうか。その一つに「ストレス」があります。心身にかかるストレスが大きくなると、それを緩和する目的でビタミンB群が多量に消費されます。同様に睡眠不足や長時間の頭脳労働、集中的な学習などでもビタミンB群がたくさん使われます。気候変動や気温の大きな変化、雨天続きなどもストレスとなり得ますので、ビタミンB群の消費量が増加しがちです。

消費量が増えるのはビタミンB群だけではありません。ビタミンCやビタミンDなど各種ビタミン、鉄や亜鉛、マグネシウムなどの各種ミネラル、タンパク質や各種アミノ酸なども、各々固有のメカニズムはありますが、おしなべて心身のストレスにより消費量が増える傾向があります。季節の変わり目など環境の変化に伴う心身のストレスは、栄養素の需要そのものを押し上げる働きをするのです。

気候変動などのストレス増大により栄養素の消費量が増えた場合、どのような対応が必要なのでしょうか。もちろん負けずに栄養素を補給する心構えは必要です。それと同時に、栄養素の「消化と吸収」の効率を上げるような取り組みも求められます・・(続く)

投稿者 蒲田よしのクリニック | 記事URL

2017年9月 7日 木曜日

秋バテ撃退に「水泳」を!水圧で浮腫解消+抗メタボ効果も

吉野です。こんにちは。それにしても涼しくなってきましたね。晴れた日の日中はそれなりに暑くなるものの、朝晩などはけっこう冷え込み、私なども寒さで目が覚める日があります。それでも夜間はぐっすり眠れるようになりました。熱帯夜で寝不足が続いていた方も一安心ではないでしょうか。とはいえ電車の車内などでもウトウトしている人は相変わらず多く、暑さや湿気による疲れが残っている方も少なくなさそうです。
実際に蒲田よしのクリニックに於いても、「夏バテが長引いて体がだるい」とか「気温差が大きくて体がついていけない」など様々な体調不良を訴える方が、ひきも切らず来院されてきます。夏バテは毎年の事ですが、今年は天候不順の影響もあり、通常の夏バテとは少し様子が異なります。多くの方は高濃度ビタミンC点滴などを受けて、見違えるように元気にはなりますが、往々にして体調不良は繰り返しやすいものです。

さて9月はメンタルヘルスに関し、とても心配な時期となっています。というのは、子供の自殺が一年で最も多い月とされているためです。とりわけ「9月1日」が飛び抜けて多く、内閣府の調査によると、平成25年までの約40年間に於ける18歳以下の自殺者を月日ごとに並べると、9月1日が131人で断トツの1位となっています。折れ線グラフで見ると、9月1日前後がスパイクのように突出しているのです。
なぜ子供の自殺が9月1日前後に多いのでしょうか。ポイントはちょうど「夏休み明け」に当たる事です。地域による違いはありますが、関東以西の地域では夏休みが8月いっぱい続くため、9月1日が2学期の始まりとなります。1ヵ月以上続く長い夏休みが明け、9月1日に久々に登校するのですが、環境や生活パターンの変化などがストレスとなり、メンタル不調に陥りやすい状況となっている事が指摘されています。

夏休み明けの環境変化に伴うストレス増大により、なぜ自殺にまで進んでしまうのでしょうか。よく指摘されている要因として「いじめ」が挙げられます。いじめに遭っていた子供は夏休みに入ると、当面いじめられる事もないため、しばらくの間ホッと一息つけます。しかしやがて夏休みも終わり2学期が始まると、陰湿ないじめが再開して子供を窮地に追いやり、それが嵩じると自殺に走ってしまう、という構図です。
また昨今普及している「ライン」などのコミュニケーションツールが間接的に関わっている、という指摘もあります。ラインはスマホなどを駆使して気軽に情報交換できる便利なツールですが、反面では文字のみで情報交換するため「真意」が伝わりにくいという難点があります。夏休み中はラインのやり取りがむしろ活発になる傾向があり、そこで「いじめの準備状態」が醸成され、夏休み明けに「リアルないじめ」の多発を招く、というのです。

実は同じような構図が3月にもあります。3月は勤労者の自殺が多い、という統計があります。最も多いのは偶然にも、9月1日のちょうど半年前である「3月1日」です。これには「人事異動」が関係していると指摘されています。つまり、企業で春の人事異動が発表になる3月1日前後に、昇進や降格、転勤、左遷などの異動があった社員が大きなストレスに見舞われ、前途を悲観して自殺に走ってしまうのです。
子供の9月1日、勤労者の3月1日と季節が異なり、また自殺の背景にも差異がありますが、両者には共通している要素があります。それは「環境の変化」と「季節の変わり目」です。このいずれも人間にストレスを与え、体調を不安定にします。そのストレスが強くかかる時期が、子供と大人では違っているだけなのです。この「季節性のメンタル不調」はとても重要な課題ですので、近々日を改めて詳しく解説したいと思います。


さて本題に戻ります。前回までの考察で、今のような晩夏から初秋にかけては体調が不安定になりやすい時期で、いわゆる「秋バテ」とも表現される様々な体調不良を訴える方が多くなります。そのような時期には健康管理の一環として、体を「温める」事が意外と大切であると解説しました。そのための有効な方法の一つとして「温めの半身浴」などがある、とも紹介しました。
体を温め体調を整える上で必要な取り組みの一つに「運動」があります。運動の重要性は季節を問いませんが、この時期に取り組みやすい、効果を得やすい運動にはどのようなものがあるでしょうか。その一つが実は「水泳」です。もちろん有効かつ安全な運動種目には様々あり、それぞれに一長一短があります。また人によって「好み」という物もあります。その中でもとりわけ水泳が、この時期には特にお勧めなのです。

水泳というと水着に着替えて水中に入るため、特に寒い季節になると「寒くてイヤだ」とか「面倒くさい」といった印象を持たれがちです。そのためどちらかというと気温の高い「夏場のスポーツ」と考えられがちです。確かに夏らしいスポーツとも言えますが、昨今は整備された室内プールで、さほど冷たくない温水をプールに張っているため、たとえ冬など寒い季節であっても快適に利用できるようになっています。
とはいえ、冬が近付き一段と寒い季節となってからでは、これまで水泳とは縁の遠かった人が「さあ、これから水泳を始めよう!」とは、なかなか思えないものです。一度水泳を始めてしまい、その良さや効果を実感している人は、夏でも冬でも関係なく水泳を楽しめるものですが、これから水泳を始めよう、でも夏が終わってしまった、という人の場合、まだ暑さの残る今の時期が、水泳を始める良いタイミングと言えます。

次に水泳の特徴として、水中では体に「水圧」がかかる、という点が挙げられます。水圧があるお陰で水に浮いていられるのですが、それと並んで「利尿作用」が働く、という点も見逃せません。常に体に対し水圧が働き、皮下などの過剰な水分が、尿などとして体外に排出されやすくなります。プールや海水浴などで、頻繁にトイレに行きたくなる人が多いのは、このようなメカニズムによります。
前回までの考察で、初秋は長雨などにより「湿気」に注意が必要である、などと説明しました。初秋は梅雨などと並んで湿気が多く、体内に水分が溜まりやすい時期なのです。体に水分が溜まった状態は、漢方に於いて「水毒」や「湿邪」などと表現されます。浮腫はもとより痰、めまい、神経痛などの遠因となりがちです。水泳には「水圧」の力を借りて、この水毒を解消するパワーがあるとされているのです。

さらに水泳は「メタボ」対策としても最適なスポーツの一つです。上記の水圧は、体に対し程よい「抵抗」をもたらします。日常動作に比べ水中では、抵抗が強くて素早く移動できません。水中ウォーキングだけでも、かなりの運動量となるのはそのためです。従って、単位時間あたりの運動負荷は、他の運動種目に比べ高くなっています。限られた時間内に取り組む運動として、水泳はとても効率が良いのです。
メタボといえば、秋から冬場にかけての寒い時期に問題となる事の多い健康障害ですが、いざ寒くなってから対策に取り組んでも、いささか遅いのです。まだ寒くなるまで時間のある今のうちに取り組んでおけば、余裕をもって「メタボの季節」を迎えられます。そのために有効なツールが「水泳」なのです。もう少し涼しくなったらウォーキングやジョギングなどにも取り組むとして、今のうちに水泳も始めておきたいものです。

さて初秋から秋にかけての体調管理に関し、とりわけ重要な事は何といっても「食事と栄養管理」です。これは実は、上記の「季節性メンタルヘルス」とも大いに関係してきます・・(続く)

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