院長の健康まめ知識

2017年7月20日 木曜日

梅雨明けで猛暑到来・・日照遮断&水分補給で熱中症撃退!

吉野です。こんにちは。連日のようにとても暑い日が続いていますが、皆さん夏バテなどしていませんでしょうか。全国各地で最高気温30℃以上の真夏日、あるいは地域によっては同35℃以上の猛暑日が続出しています。九州北部の豪雨災害に見舞われた地域でも暑さが増しており、被災者の方々やボランティアの方々は、復旧作業など大変だと思います。北海道でも所によっては本州並みの猛暑となっています。
これだけ暑さが続くと梅雨明け発表が気になるところでしたが、19日に中国・四国地方から関東甲信地方まで一気に梅雨明けしました。カンカン照りのわりに遅いな、という感じもしましたが、関東などの梅雨明けは平年より2日早いそうで、全般に決して遅れていた訳ではありません。ある気象予報士によると、15~17日の連休前後に北日本が大雨となり、その影響を見極めた上での梅雨明け発表となった、という事です。

梅雨明け前後は例年のように、とにかく暑くなります。よく「梅雨明け10日」と言いますが、梅雨明け直後の10日間くらいは、とりわけ晴れて気温が上がる傾向があります。そうだとすると、今がまさに梅雨明け10日の最も暑い時期、と言えそうです。しかも気象庁からは西日本~東日本にかけて「7月中~下旬は平年より高温傾向」という予報が出ており、まさにその通りの猛暑傾向となっています。
暑さ以外にも一つ異常な点があります。それは「雨が少ない」という事です。先日の福岡・大分両県に於ける大雨・洪水被害からは意外な印象を受けますが、九州北部や北陸など一部を除き、全国的には少雨の傾向が続いています。入梅以降も「空梅雨」の傾向だったのです。特に関東地方の荒川水系、利根川水系などでは渇水気味となっており、総じて例年の半分以下という少ない降水量です。

そのような「ジリジリした猛暑」に見舞われ、熱中症にかかる人も増えています。例えば7月10日から16日までの1週間で、熱中症のため救急搬送された人が全国で7680人に上っています。その前週は4241人、前々週は1914人でしたので、急激に増えていることが分かります。また7680人に救急搬送者のうち重症は2759人、死亡者は6人という数字が出ています。
熱中症による死亡例に関して記憶に新しいところでは、埼玉県で知的障害者が猛暑の車内に6時間も放置され、熱中症で死亡したという悲しい事例もありました。自動車の車内は直射日光が当たると、60℃から70℃くらいまで室温が上がる事もあり、とりわけ子供や老人、体が不自由な方などは、室内に閉じ込められるような事態を防止しなければなりません。

蒲田よしのクリニックに於いても、本格的な熱中症の方こそ見かけないものの、夏バテの方もしくは軽い熱中症気味の方は、それこそ毎日のようにいらっしゃいます。そのような方は単に暑さというだけでなく、日常の過労や睡眠不足、栄養バランスの乱れなどが隠れていることも少なくありません。多くの方々は「マイヤーズカクテル」や「グルタチオン」などの点滴を受けると、とりあえずはシャキッとして帰られます。

このブログでは先月から、夏の暑さに備えて「夏バテ予防法」などに関して、いくつかの角度から解説してきました。これらはとても大切な事ですし、今後も続けて解説していきたいと思うのですが、これだけ例年以上のペースで急速に暑くなってくると、夏バテ予防法を一たん脇に置いて、当面の急速な暑さに関する「熱中症予防」、もしくは夏バテや熱中症にかかった場合の対処法、治療法についての解説が求められそうです。
そこで今回から少しの間、熱中症と夏バテを撃退するための「即効の対処法」に関して記述したいと思います。とりわけ35℃前後、あるいはそれ以上の猛暑となった場合、先ず必要な事とは何でしょうか。最初に考えるべきは「日射を避ける」事です。日射の直撃を受けるのとそうでないのとでは、体への高温の影響にはかなりの差が生じます。とりわけ頭部への直射日光の直撃を避けることが第一のポイントです。

日光の直撃を避ける方法として、先ず挙げられる物に「帽子」があります。帽子はまさに頭をすっぽり包み込む様にかぶるため、頭部を守る一定の効果はありますが、その形状により効果に若干の差が生じます。例えば野球帽の場合、ツバの部分が前方にのみ設けられており、日照を遮断する効果は意外と限定的です。麦わら帽のように、全周にわたってツバのついた帽子の方が、日照の遮断という点ではより効果的です。
最近とりわけ有効性が評価されているのは「日傘」です。日傘は帽子と違って肌と密着せず、風通しも確保できるのがメリットです。また頭部を含む上半身全体を日照から遮断するため、暑さを軽減する上で意外と大きな威力を発揮します。実際に日傘を使用する人は男性も含め増えてきており、使用を開始してから夏バテしなくなった、などの変化を感じる人も少なくないようです。

次に「水分」の補給がたいへん重要です。熱中症に陥る人に共通する特徴として、水分不足が挙げられています。気温が上がる日中だけでなく、眠りについており、場合により飲酒する夜間にも熱中症が多発しているのは、水分不足がいかに熱中症を誘発するか、を如実に語っています。喉が渇いてから水を飲むのでは少々遅く、喉が渇く前から積極的に飲水する、という習慣が求められます。
それでは、どのような水を飲むのが正しいのでしょうか。基本的には「真水」を主体としますが、汗をたくさんかいた後は「塩分」の摂取も必要、とされています。確かにそれも一理ありますが、塩分を取り過ぎるとかえって喉が渇いてしまいますし、汗をかいた後に必要なのは塩分、すなわち塩化ナトリウムだけではありません。カリウムやカルシウム、マグネシウム、ビタミン各種も同様に補給する必要があります。

実際に摂取する水分として、よく推奨されるのが「スポーツ飲料」や「経口補水液」です。これらは塩分と糖質がそれぞれの比率で含まれており、胃腸から吸収されやすい状態に工夫されています。これらを活用するのも有効ですが、飲み過ぎには要注意です。というのは、含有されるブドウ糖や塩分の影響で、喉が渇きやすくなるためです。それに血糖値の上昇のリスクもあります。従って、ほどほどの飲用に留めるべきです。
日常生活では真水を主体とし、これら塩分や糖質を含んだ飲料水は、補足的に用いるのが原則です。ただ猛暑下で、熱中症になりかかっている時には、少し多めに飲んでも良いでしょう。意外と効果的なのが「梅干し」です。これは一定の塩分を含むほか各種ミネラル類も豊富です。また疲労回復に効果的なクエン酸なども含有しています。それと並んでレモンやスイカ、ナシなどの果物も熱中症予防には有効です。

いよいよ体が熱くなり、熱中症になりかかったら、体温を下げてやる必要が生じます。こういう時は「水」と「氷」の活用が有効です・・(続く)

投稿者 蒲田よしのクリニック | 記事URL

2017年7月 8日 土曜日

脳を冷やして守る人間の性・・割りを食う「腸」の健気さ!

吉野です。こんにちは。梅雨も後半に入り、蒸し暑い日が増え、早くも夏バテ気味の方が続出するようになってきましたが、皆さん如何お過ごしでしょうか。

それにしても福岡県や大分県などに於ける大雨被害は、本当にひどいものですね。被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。福岡県筑後地方、大分県日田地方などのごく限られた地域に於いて、ほんの数時間の間に数百ミリもの豪雨が降り続いたのですから驚異的です。河川から溢れた濁流が家や車を押し流し、巨大な流木が道をふさいでいる光景には、本当に戦慄を覚えます。
それでは、なぜ狭い範囲に集中的に大量の雨が降るのでしょうか。気象庁の説明では、記録的な大雨の原因は、停滞する梅雨前線に向かって、南に位置する太平洋高気圧から湿った暖かい空気が大量に流れ込んだためとされています。前線の北側には大陸由来の高気圧があり、そこから吹き出した涼しい空気が湿った空気と前線付近でぶつかり合い、大雨に繋がったといいます。

今回の水害のニュースなどでは、「線状降水帯」という用語が頻繁に出てきました。これは限定された細長い区域に、激しい降雨をもたらす積乱雲が次から次へとかかり続ける気象現象を指します。これが発生すると、ある地域には時間当たり百ミリ単位の驚異的な豪雨がある一方で、そこから数十キロ離れた地域では殆んど降雨がない、などという極端な降雨の地域的な片寄りが生まれるのです。
線状降水帯に伴うゲリラ的な降雨はここ数年、どこかで必ず発生しています。記憶に新しい所では、2年前の平成27年9月に茨城県を中心に発生した「関東・東北豪雨」があります。同年9月の秋雨前線の時期に、関東から東北にかけ広い範囲で水害に見舞われましたが、とりわけ茨城県常総市などで鬼怒川が数カ所にわたり決壊し、1万棟を越える家屋が浸水しました。この時も鬼怒川沿いに線状降水帯が長いこと居座りました。

このような線状降水帯の出現を含むゲリラ的な豪雨被害は、ここ数年で明らかに増加、甚大化している印象があります。集中豪雨そのものは昔からありますが、その頻度、規模ともに著しくなっているのです。日常の肌感覚から言っても、近年の雨の降り方は以前よりも激しくなってきています。代表的な雨の季節である梅雨にしても、シトシトという降り方より、いきなりザーッという降り方の方が目立つようになってきました。
何故このように、気候が激しさを増しているのでしょうか。今年の5月に気象庁から「このままでは21世紀末までに東京が屋久島と同じ気温になる」という予測が出されました。屋久島といえば鹿児島の南に位置し、まさに亜熱帯の気候です。20世紀末からの100年間で、東京では4.5℃も平均気温が上がる、というシミュレーション結果だそうです。東京も今世紀末までに「亜熱帯」になってしまうのでしょうか。

夏場の暑さと伴に、地球温暖化が降雨の激しさに関係しているのは、どうやら確かなようです。この問題に関しては、また日を改めて検討したいと思います。

さて前回のブログでは、人間ほど汗をかく動物はいないこと、36.5℃という人間の体温は哺乳類の中では異例なほど低い事を説明した上で、それは一つには非常に発達した人間の「脳」を暑熱から守るためである、などとお話しました。脳はコンピューターと同じく熱に弱いため、特に上半身に多数の汗腺を備え、代謝を維持する上でギリギリの36.5℃という低めの体温を人間は受け入れているのです。

そのように人間は体温を低めに設定し、汗をたっぷりかいて「脳を冷やす」ことを優先しているのですが、そのために割を食っている場所が人体には幾つもあります。肺や心臓、肝臓、筋肉など多くの臓器・組織は冷えを嫌いますが、その代表格は「腸」です。腸というのは重要な消化器官であるばかりでなく、免疫の一つの中枢であるなど様々な機能をもつ臓器ですが、低温や冷えに弱いという特徴があります。
我々は日常感覚でも、冷えが腸にとってストレスとなる事を感じています。例えば冷たい飲み物を飲み過ぎたり、クーラーが利き過ぎていた場合などには、お腹がキリキリと痛み、下痢気味となる事があります。昔のことわざで「雷が鳴ったらヘソ隠せ」というのがありますが、これは経験的に、雷が鳴ると雨が降って気温が下がることが多い事から、腹部が冷えるのを防ぐために腹部を衣服などで覆いなさい、という教訓です。

腸は他方「免疫」にも深く関わっている臓器です。全身の免疫細胞のうち、およそ7割が腸管に分布しているとされています。従って腸内環境の善し悪しが、免疫力の強弱に大いに関わってくるのです。その腸内環境を左右する要素には栄養バランス、自律神経バランス、腸内細菌叢のバランスなど、様々なものが挙げられますが、一つの重要な要素として「体温」があります。
体温が35℃台もしくは34℃台まで低下すると、途端に腸内環境が悪化することが知られています。例えば腸内環境の重要な要素の一つに「消化酵素」がありますが、代謝酵素と同様、消化酵素は36℃以下では充分な活性が発揮されません。従って消化不良の傾向となり、腸内細菌叢の乱れやフードアレルギーなどを誘発し、うつ病などメンタル疾患や各種アレルギー疾患、さらにはガンなどの発症を招きやすくなります。

さて近年、そのように35℃台や34℃台という低体温の方が明らかに増えてきていますが、それにはどのような理由があるのでしょうか。様々な要因が考えられますが、その一つに「冷房」の使い過ぎがあります・・(続く)

投稿者 蒲田よしのクリニック | 記事URL

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