院長の健康まめ知識

2017年5月23日 火曜日

オメガ3でアレルギーを蹴散らせ!お魚とアマニ油の競演を

院長の吉野です。こんにちは。5月も下旬に入り、梅雨の足音が聞こえ始める時期になってきましたが、皆さん如何お過ごしでしょうか。東京などでは5月中旬の数日間、不順な天候が続き、肌寒いような日もありましたが、20日ごろから暑さが戻ってきました。全国的には既にかなり暑くなっており、北海道も含めて30℃前後まで気温の上がる日も現れてきました。いよいよ「夏」が近づいている事を思わせます。
但し本格的な夏の前には「梅雨」がやってきます。沖縄・奄美地方では既に梅雨入りしており、雨がちな天候となっています。沖縄と九州とは意外と距離があり、九州の梅雨入りはもう少し先かと思いますが、それでも例年5月末から6月初めにかけて、九州や四国を皮切りに、中国・近畿・東海・関東あたりまで、次々と梅雨入りしていきます。年によってはこの順番が入れ替わり、関東などが先に梅雨入りすることもあります。

そして5月も半ばを過ぎ、日差しがとても強くなってきました。実際に街では、早くも色よく日焼けしている方をちらほら見かけますし、かくいう私自身も知らないうちに日焼けしていました。連休明けに腕などの肌がヒリヒリするので変だと思っていたら、何人かから「先生、日焼けしましたね」などと言われ、初めて日焼けしたことを知りました。連休は旅行に行った訳でもないのに、歩いているだけで日焼けした様です。
実は5月から6月にかけては、日焼けに最も気をつけなければならない時期なのです。日焼けというと、7月から8月にかけての真夏の時期が最も強烈というイメージがありますが、必ずしもそうではありません。梅雨明け後の7~8月も確かに日差しは強いのですが、湿気が多いために、日差しはある程度ブロックされます。それに対して梅雨入り前の5月後半は、乾燥しているために日差しがダイレクトに地上に届いてくるのです。

そのように意外にも早く訪れる日焼けの季節、それに時として真夏並みとなる暑さに対しては、抜かりない対策が必要です。ただ暑さに関しては梅雨明け後の本格的な盛夏に比べて、まだしのぎやすいとは言えます。日中は盛夏並みの気温になったとしても、比較的カラッとしていますし、朝晩はしっかり冷え込むからです。従って未だ余裕のある今のうちに、暑さに慣れるための取り組みをしておきたいものです。

日焼け対策および本格的な暑さへの備えに関しては、近く日を改めて、詳しく解説していきたいと考えています。

さて前回のコラムでは、風邪やアレルギーを予防する、或いは動脈硬化に基づく疾患を防ぐ等の意味合いから、植物油の「摂取比率」が決定的に重要であること、具体的にはオメガ3系とオメガ6系が1:1または1:2が望ましいことを説明しました。ところが現実にはオメガ6系が過剰、一方でオメガ3系が不足となりやすく、結果としてアレルギーや動脈硬化が進展しやすい条件にあることも合わせて述べました。
なぜ我々の摂取する油は往々にして、圧倒的に「オメガ6優位」となってしまうのでしょうか。一つには、スーパー等で普通に売られている植物油が、ことごとくオメガ6優位の油となっているためです。つまり我々に馴染みの油、例えばコーン油、大豆油、菜種油、米油、さらにはこれらをミックスした「サラダ油」「てんぷら油」等は、軒並みオメガ6主体の油種構成となっているのです。
そのために、家庭で調理やドレッシング等に用いる油はもとより、レストランやファストフード等に於ける外食、スーパー等の総菜や弁当、コンビニ等のお菓子や加工食品は、その殆んどに於いてオメガ6主体の油を多用しています。その結果、自宅での自炊や外での外食、店で買ってきての食事、すなわち食生活全般に於いて、嫌がおうにも我々は「オメガ6漬け」となりかねない食事環境に置かれているのです。

一方では「魚離れ」の影響も見逃せません。日本人は古来、魚介類をたっぷり食べて健康を維持してきました。つい最近まで日本人は、世界的にも長寿かつ健康的であると評価されてきましたが、その理由の一つは魚をたくさん食べる事であるのは間違いありません。実際に海外でも魚介類の豊富な「和食」はヘルシーであるとして、健康に関心の高い人々にもてはやされています。
ところが現代の日本人は、次第に魚を食べなくなってしまいました。魚の購入量や消費量が目に見えて減少してきているのです。調理が面倒である、等の理由が挙げられていますが、対照的に肉の消費量は増え続けており、すっかり逆転してしまっています。前述の通り魚介類にはEPAやDHAといった「オメガ3系」が豊富に含まれていますが、魚を敬遠することによってオメガ3の摂取量がますます減少しつつあります。

さてそのようなオメガ6に傾いた油脂環境に於いて、少しでもオメガ3とオメガ6の摂取比率を適正化し、健康な心身を手に入れるためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。それはごく単純化していうと、オメガ6を減らしてオメガ3を増やす、という事に尽きます。オメガ6を減らすには、一般に出回っている植物油、すなわち大豆油、コーン油、綿実油、それにサラダ油などの摂取を徹底して控える事が重要です。
具体的には、揚げ物など植物油を多量に用いる料理をできるだけ控え、炒め物の際にも、オリーブ油などオメガ6の少ない油を用い、しかも頻度を減らすことが大切です。外食も含め、可能な限り油気の少ない料理や商品を選び、いわば「減油」生活を心がける事が望まれます。一方でお勧めは、数少ないオメガ3油脂であるエゴマ油(シソ油)やアマニ油です。熱に弱いので加熱せず、ドレッシングなどに用いましょう。

そして何といっても、オメガ3の有力な供給源としての魚介類を積極的に摂取したいものです。保存や調理が大変だ、などと敬遠されがちではありますが、魚介類の最大の持ち味は、種類や調理法の「多様性」です。例えば主な寿司ネタだけで何十種類もあり、同じ魚種でも調理法が多数あります。季節や海域による変化も楽しむことができます。食べやすい食材から試し、少しずつレパートリーを増やしていきましょう。
オメガ3系を組み合わせた料理もあります。それはお魚にアマニ油、またはエゴマ油を加えたものです。イタリア料理の一つに「カルパッチョ」があり、主にオリーブ油を用いますが、その代わりにアマニ油などを使うのです。お好みの魚またはエビ、イカ、タコ、そして季節の野菜を盛り付け、そこにアマニ油をベースとしたドレッシングをかける、それだけでヘルシーなオメガ3をたっぷりと頂くことができます。

さて次回からは上述した「暑さ」への対策について、幅広い角度から考えてみたいと思います・・(続く)

投稿者 蒲田よしのクリニック | 記事URL

2017年5月16日 火曜日

オメガ3不足・オメガ6過剰で花粉症増悪!適正な比率は?

吉野です。5月の大型連休は、旅行などでお出かけの方も多かったのではないかと思います。皆さんは連休を如何お過ごしでしたか。今年の連休は概ね天候に恵まれ、各地の行楽地も大勢の方々で賑わっていた模様です。桜に代わってツツジや藤などの花々も咲き誇っており、今まさに春らんまんの風情ですね。
一方で、行楽地へ向かう道路などの過酷な混雑を敬遠し、敢えて遠出しないような方も少なくありません。実際に私自身も経験がありますが、大渋滞に巻き込まれ、深夜に疲れ果てて帰ってくる方も多いものです。5月の連休に限りませんが、旅行や遠出の影響も重なり、生活パターンが乱れがちになる事が多いものです。具体的には、睡眠時間や食事の時間が少しずつ後ろにずれていきやすいのです。

こうした連休による時間的な乱れは、体調にも微妙な影響を及ぼすことがあります。例えば、軽い「時差ボケ」のような状態に見舞われることが少なくありません。海外旅行をした場合だけでなく国内旅行、或いはさほど遠くへ出かけなかった場合であっても、就寝や起床の時間がだんだん遅くなると、連休明けには「体内時計」が平常より何時間か遅れてしまうのです。
そうすると海外渡航と同じように、日中の眠気、だるさ、頭重感、夜間の不眠、憂うつ感、めまいなど、様々な症状を招きやすくなります。そのような状態での連休明けの仕事は、本当にきついものです。仕事の効率は上がらず、はかどりません。結果的に残業となってしまいがちです。また業務上のミスが出やすくもなります。人によっては、毎日の出勤が憂うつなものになるかも知れません。

5月の連休明けといえば、以前より「五月病」と呼ばれる一種の体調不良およびメンタル不調が、連休明けあたりから急増することが知られています。特にかかりやすいのが新入社員など若者で、連休疲れも影響した或る種の「怠け病」などと揶揄されていた時期もありましたが、大型連休明けに体の怠さ、めまい、憂うつ感、頭痛、不眠など様々な体調不良に陥り、仕事や私生活に深刻な影響が加わる場合も少なくありません。
それでは五月病の原因とは、いったい何でしょうか。一つには春先や4月の新年度に於ける、就職や昇進、転勤などの環境変化が関係していると言われます。就職などのイベントは、もちろんめでたいことではありますが。一面では強いストレスになり得ます。生活パターンや人付き合いなどが大きく変化し、適応するのにパワーが必要だからです。このような環境変化があった場合には、体調管理にも一層の注意が必要です。

そのような環境変化のあった方でなくとも、春先から連休前までという年度の変わり目に、仕事などで頑張り過ぎた方も注意が必要です。年度初めなどからトップスピードで仕事や活動をすると、ちょうど連休に入るあたりで疲れが溜まってくりものです。そこへ前述のような連休中の生活パターンの変化が加わると、連休明けに一気に心身の疲労が噴出し、五月病特有の症状が出やすくなる、という訳です。

五月病を含む季節性の体調不良、メンタル不調は重要なテーマですので、近い将来に詳しく解説したいと考えております。

さて前回のコラムでは、風邪や花粉症などアレルギーを予防する上で、摂取する脂質の「バランス」が大切であること、しかし現実には、そのバランスが乱れがちであること、などをお話しました。具体的には、植物油には大きく分けてオメガ3系とオメガ6系とがあり、そのバランスがとても重要なのですが、我々の多くはオメガ6系に偏った摂取となってしまっているのが実情です。
オメガ3とオメガ6とは、どちらも体内で合成できない「必須脂肪酸」です。従って両者ともに一定量を摂取しなければならないのですが、どちらかに偏ってしまうと健康上の様々な問題が生じます。その適正な比率は、オメガ3対オメガ6が1:2以下、理想的には1:1が良いとされています。ところが実際には多くの場合、1:5から1:10、著しいケースでは1:20まで開いてしまっています。

そのようにオメガ6に偏ってしまった場合、どのような弊害が生じるのでしょうか。例えばオメガ3は組織の炎症を軽減させる作用があるのに対し、オメガ6は反対に炎症を増強させる、という相反する性質があります。そのために、オメガ3が不足しオメガ6が過剰な状態では、アレルギーを含む各種の炎症が悪化しやすい傾向がみられます。結果的に、喘息や花粉症などのアレルギー疾患も増悪しがちなのです。
一方でオメガ3は細胞膜や血管を「柔らかく」する傾向があるのに対し、オメガ6は細胞膜や血管を「硬く」する傾向があります。一例として、オメガ3は動脈硬化を抑制するのに対し、オメガ6は反対に動脈硬化を促進します。従って、オメガ3不足でオメガ6過剰の状況では、動脈硬化が進展しやすく、脳梗塞や心筋梗塞など動脈硬化性疾患の発症や再発、増悪に繋がりやすいとされています。

このような現状がある限り、オメガ6系油脂をできるだけ減らしてオメガ3系油脂を積極的に摂りたい所なのですが、前回のコラムでお話した通り、市販されている植物油の大部分はオメガ6が主体です。その中にあって、その比率を少しでも適正な1:2以下、可能ならば理想的な1:1に近づけるためには、現実的にどのような工夫があるのでしょうか。

その基本は何といっても「徹底した減油」と「魚介類の摂取」です・・(続く)

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