院長の健康まめ知識

2017年4月21日 金曜日

エッ!サラダ油はヤバいの?過剰な植物油「オメガ6」とは

皆さんこんにちは。4月も下旬に入りましたが、今月の半ば過ぎには関東地方などで30℃近い暑さとなりました。季節はずれの暑さに、驚いた方も多かったのではないでしょうか。コンビニでは冷やし中華や冷たいうどんなどが売れ、アイスクリームを食べながら歩く人もよく見かけました。私もそうでしたが、慌てて夏物の服を取り出した人も少なくなかった模様です。

一方では急な気温上昇の影響で、体調を崩した人も目立ちます。蒲田よしのクリニックに於いても、体がだるい、めまいがする、夜も眠れない、肩凝りがひどい、などの体調不良を訴える方が、いつもにも増して多く来院しました。新聞やテレビニュースなどでも、暑さで具合の悪い人が続出しているという報道が目立ち、その中で「軽い夏バテのような症状」と表現しているものもありました。
こんな春の時期で、暑いといっても30℃に達しない程度の気温で「夏バテ」というのは、いささか大げさな印象を受けるかも知れませんが、実はこの時期の時ならぬ暑さは要注意なのです。というのは、冬から春先の寒さのため未だ暑さに慣れていない状況で、この時期に特有の大きな寒暖差の流れに乗って気温が急上昇すると、体がついていけず、高温への適応障害を起こしてしまい易いのです。いうなれば「春バテ」でしょうか。

考えてみればここ数年から十数年、夏場の暑さはひどくなる一方です。最高気温35℃以上という猛暑日の日数が増えてきているほか、夏の暑さの続く時期が、昔に比べて明らかに長期化しています。例えば9月というのは元来「秋口」に当たり、朝晩など涼しくなって秋の風情が色濃くなりますが、最近はすっかり暑くなって、夏日はもちろん猛暑日も続出するようになってきました。もはや9月は「夏のうち」ともいえます。
同様に4月から5月にかけても、暑い日が本当に増えてきました。半袖の夏物を出す時期も、以前はだいたい5月の中頃だったのが、最近では早くも4月中に必要となることが多くなりました。その影響もあり、桜の開花も目立って早くなっています。今年は若干遅かったものの、関東地方では3月中に咲くことが多いのですが、ひと昔前までは4月上旬の入学式の頃に桜の季節を迎えたものです。

上述のように4月から「夏バテ気味」となる方が続出し、夏の暑さが長期化しているという現状がある限り、それへの有効な対策は欠かせません。暑さや夏バテの対策というと、本格的に暑くなる6月から7月にかけての課題という印象がありますが、前述のような事情を考えると、5月くらいから対策を立てておいた方が無難です。数カ月にわたる「長い夏」をどう快適に過ごすか、日を改めてテーマにしたいと思います。

さて前回のブログでは、スギ花粉のみならず通年性のアレルギー性鼻炎が増えていること、アレルギーや風邪の予防のためには「油」の選択がたいへん重要であること、などを説明しました。そして動物油よりも植物油がヘルシーとは限らないこと、動物油に比べて植物油は酸化や加熱に弱いこと、などもお話しました。例えば、古くなったサラダ油で揚げたフライなどというのは、実はあまりお勧めの料理ではないのです。
但し全ての植物油が要注意であるかというと、必ずしもそういう訳ではありません。同じ植物油であっても、その原料によって大豆油、コーン油、ごま油、菜種油、オリーブ油など様々な種類がありますが、それぞれの植物油を構成する脂肪酸の組成によって、幾つかのグループに分類できます。不飽和脂肪酸としての植物油はグリセリンと3本の脂肪酸から成り立っていますが、主体となる脂肪酸の種類が決定的に重要です。

脂肪酸には体内で合成できないため、必要量を摂取しなければならない「必須脂肪酸」が幾つかありますが、その代表的なものにα(アルファ)リノレン酸とリノール酸が挙げられます。前者は「オメガ3系」油脂の主成分、後者は「オメガ6系」油脂の主成分となっています。不飽和脂肪酸の二重結合が先端部分から3番目の炭素原子にあるものをオメガ3、6番目の炭素原子にあるものをオメガ6、と呼称しています。
それぞれの植物油は、オメガ3とオメガ6という2つの必須脂肪酸を特有の比率で含有していますが、必ずしもバランスよく含有している訳ではありません。多くの植物油は、オメガ6の含有率が圧倒的に高くなっています。それに対してオメガ3の含有率が高い油脂はごく限られており、シソ油(エゴマ油)、アマニ油、それにEPA(エイコサペンタエン酸)などの魚油くらいしか存在しません。

つまり一般に広く普及している植物油、すなわち大豆油、コーン油、菜種油、ごま油、米油、綿実油などは、ことごとくオメガ6主体の脂肪酸構成となっています。そして数種類の植物油をミックスした「サラダ油」や「てんぷら油」は、必然的にオメガ6が圧倒的に多いオイル商品です。我々が日常的に摂取し料理に用いている植物油は、一部の例外を除き、オメガ6がとても多くオメガ3は極めて少ないのが現状です。
その結果として、我々の肉体が必要としている必須脂肪酸の、実際に体内に摂取される比率は、著しくオメガ6に偏っていると言わざるを得ません。オメガ3の豊富な油脂は上述のように、魚油および2種の植物油に限られています。この数少ないオメガ3系油脂をよほど意識的に摂取しない限り、我々はどうしてもオメガ6の過剰、オメガ3の不足というアンバランスな状態に陥りがちです。

この「オメガ6過剰・オメガ3不足」の油脂環境は、我々の健康にどのような影響を及ぼすのでしょうか。国内外の研究によって様々な影響が出ることが分かってきましたが、その一つが「炎症およびアレルギーの発生・増悪」です。花粉症がひどくなる原因の一端が何と、油のアンバランスにあるというのです・・(続く)

投稿者 蒲田よしのクリニック | 記事URL

2017年4月15日 土曜日

一見ヘルシーな植物油・・「加熱」が体を酸化させる!

院長の吉野です。こんにちは。各地で桜が満開となっていますが、皆さんの地域では如何でしょうか。東京など関東地方では開花こそ早かったものの、寒の戻りの影響もあり、「満開」はむしろ平年より遅くなりました。開花から満開まで2週間近くもかかり、待ちに待った満開に、お花見を待ちきれなかった方も多いのではないでしょうか。連日のように、上野公園や千鳥ヶ淵など桜の名所は花見客でごった返しています。
とはいえ、先週の週末は雨がちな地域が多く、お花見は少し大変だったのではないかと思います、相変わらず寒暖の差も激しく、前日と10℃くらいの気温差となる日も少なくありません。朝晩と日中との温度差も大きいため、何を着て行けば良いか迷ってしまいます。それに雨や風の影響もあり、せっかくのお花が早くも散り始めているようです。東京などでは、そろそろお花見も終盤を迎えつつありますね。

桜の開花に合わせるように、スギ花粉症もピークを迎え、一部では峠を越えたといわれています。電車内などで盛んにくしゃみを連発させる人は相変わらず多く、蒲田よしのクリニックにも花粉症の薬を求めて来院する方は減っていないのですが、東京などでは実数としてのスギ花粉はピークを過ぎつつあるようです。地域により差はありますが、おおよそ桜の開花を合図として、スギ花粉が減少に向かいます。
ところが花粉症の方にとって、まだまだシーズンは終わりを迎えません。というのは、スギ花粉が終息に向かう一方で、これからは「ヒノキ花粉」が飛び回るためです。関東地方の場合、スギ花粉は2月から3月にかけて飛散しますが、それが一段落した後の4月中頃から5月いっぱいにかけて、ヒノキ花粉が飛散するのです。従ってスギとヒノキを合わせ、2月から5月まで事実上、花粉症シーズンが続きます。

人によってはスギ花粉のみに反応する場合もあり、そういう人にとっては4月前半で花粉症の症状も一段落となります。しかしながら多くの人は、スギとヒノキの両者に反応します。仮にスギだけに反応する人であっても、経過とともにヒノキにも反応するようになる場合が少なくありません。すなわち4月初めで花粉症の症状が収まっていたのに、ある年から5月まで延々と悩まされるようになるのです。
もっと大変なのは「通年性」の花粉症です。スギ、ヒノキばかりでなく、夏から秋にかけてのカモガヤ、ハルガヤ、ヨモギ、ブタクサなど草木類の花粉にも悩まされる方が少なくありません。さらに梅雨時や冬場など、花粉があまり飛ばないような季節にも、ダラダラと症状が続く、通年性の花粉症の人が、最近とりわけ増えてきている模様です。このような場合は、ハウスダストやカビ、ダニなどがアレルゲンとして加わります。

さて前回のブログで、風邪や花粉症の予防、悪化防止のためにはビタミンやミネラルの他に、各種の抗酸化物質の補給が欠かせない、とお話しました。実際に抗酸化物質を豊富に含んだ食品を摂取すると、花粉症などのアレルギー症状が明らかに緩和することが証明されています。そして、それと並んで大切なのが「油」の上手な摂取法です。

油というと、摂り過ぎれば肥満や動脈硬化の原因となる、出来れば敬遠したい栄養素という印象がありますが、決してそんな事はありません。油はとても大切なものですし、風邪や花粉症の予防のためにも欠かせないものです。「油断」などという言葉もありますが、油が不足すると、肌が乾燥しやすくなるばかりでなく、粘膜が弱くなり、免疫力が低下することで、風邪や花粉症などにも罹りやすくなってしまいます。
但し油は種類とそのバランス、それに品質が決定的に重要です。良くない品質、バランスの悪い油の摂り方をすると、動脈硬化や免疫力低下などに繋がり、脳梗塞など血管の病気、花粉症や喘息などアレルギー疾患、さらにはガンにも罹りやすくなってしまいます。反対に良質な油をバランスよく摂った場合、動脈硬化やアレルギー体質は改善に向かい、ガンの予防にも繋がることが指摘されています。

それでは我々はどのような油を、どのように摂取していけば良いのでしょうか。先ず議論となるのが動物性と植物性という、2つの油脂の違いです。よくある通念として、動物油はコレステロールが多いので良くない、一方の植物油はヘルシーでコレステロールも上げない、などという評価がありますが、これは医学的に見て、本当に正しいのでしょうか。実は、必ずしもそうではないのです。
動物油は確かにコレステロールの含有量が多いのですが、常温では固体であり、化学的に安定しています。油脂に関しては、この「安定性」がとても重要です。化学用語では飽和脂肪酸で構成され、脂肪酸の炭素列に水素がびっしりと結合しています。そのために酸化や熱変性に強く、体内に入っても体に強い酸化ストレスを与えることがありません。動物油は意外にも「体に優しい油」なのです。

これに対して植物油は多くの場合、常温で液体です。そして案外、化学的に「不安定」です。動物油とは対照的に不飽和脂肪酸から成り、脂肪酸の炭素列で所々、水素が抜けて炭素原子同士が二重結合を形成しています。化学的に不安定というのは、一つには「酸化」しやすいこと、二つには熱変性しやすいことを意味します。実際に植物油は、時間の経過とともに傷みやすい、加熱により変質しやすい傾向があります。
従って植物油の使用と摂取には、細心の注意が必要です。第一に、古くなった油はできるだけ使用しないことが大切です。買い置きして古くなったサラダ油などは、悪臭がして料理の味を台無しにしますが、それだけでなく体を酸化させてしまいます。また揚げ物などの際に高温で加熱すると熱変性し、やはり体にとって酸化ストレスとなります。そのため植物油を用いた炒め物や揚げ物は、頻回に口にしないことが大切です。

植物油には幾つかの系統がありますが、摂取する上ではその「バランス」が決定的に重要です・・(続く)

投稿者 蒲田よしのクリニック | 記事URL

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