院長の健康まめ知識

2017年3月27日 月曜日

リンゴ赤くなれば医者青く・・野菜・果物で花粉症撃退!

院長の吉野です。皆さんこんにちは。日による寒暖の差がたいへん大きくなっていますが、如何お過ごしでしょうか。
天気予報で説明がありましたが、この3月は1年で最も寒暖差が大きい月だそうです。例えば前日と10℃以上の気温差のある日数は、3月がダントツで1位、4月と2月がそれに続き、あとは10月などの秋となります。春先は秋以上に、気温の変動が激しい季節なのです。着ていく服を選ぶのも一苦労で、厚着をしていけば日中は暑いし、薄着をしていけば朝晩とても寒いです。

さて東京では全国で最も早く、21日に桜の開花が発表となりました。東京で最も早く桜が咲いたのは、実に9年ぶりの事だそうです。21日といえば冷たい雨が降った日なので、意外な感じを持った方も多いのではないでしょうか。思い返すと、その前日および前々日は彼岸の連休でしたが、かなり暖かかったので、その勢いもあり咲いたのではないかと思われます。
とはいえ街を歩いていても、桜が咲いた、という実感はあまり湧いてきません。JR蒲田駅前にある大きな桜の木なども含め、多くの木はまだ殆んどツボミの状態で、目に見える形での「開花」には多少早い状態です。東京地方の場合、開花を判断する「標準木」は靖国神社の敷地内にありますが、今年は何かのはずみで、かなり早く咲いてしまったのではないかと思われます。
それにここ数日は肌寒い日が続いており、早くも花冷えの風情です。今年は満開までの期間も、寒気の南下などのために低めの気温が続くと予想されており、満開の時期は若干遅くなるという話です。別の見方をすれば桜の花を長く楽しめる、という事になりそうです。花冷えではお花見も寒くて大変ですが、長い期間にわたって楽しめるのは嬉しいことです。防寒対策をしっかりしてお花見に出かけたいものです。

ただし毎年の事ではありますが、お花見の時期に重なる形で「花粉症」が猛威を振るっています。花粉の出どころはもちろん桜ではなく、スギやヒノキなどの針葉樹ですが、ひどい花粉症のせいでお花見にも出かけられない、という方が少なくありません。梅や桜が咲き誇る春は、うららかで穏やかな気分になる時期である一方、花粉症のある方にとっては、外出もままならない憂うつな季節となっています。
花粉症の陰に隠れて、風邪がなお流行し続けています。インフルエンザはさすがに沈静化しましたが、熱の出ない風邪、例えば咳や鼻水、のどの痛みなどが1週間から2週間、あるいはそれ以上にわたって長引くような風邪が出没しています。なかには鼻炎症状が主体のため、花粉症と区別がつかないような方も多数おります。この時期は患者さんから「風邪ですか、それとも花粉症ですか」などと質問されることが多くなります。
風邪と花粉症は発症メカニズムが異なるのですが、私の印象として、両者が合併することは決して少なくないようです。つまり花粉症特有の鼻水や目の痒みに加えて、喉の痛みや咳などの風邪症状が加わるのです。メカニズムは違っても、病気の土俵は同じ鼻や喉などの「粘膜」です。花粉症で粘膜が荒れると風邪のウイルスが侵入しやすく、また風邪のウイルスが刺激となって花粉症の症状が誘発される、という関連がありそうです。

さて前回のブログで、風邪やインフルエンザなどの予防に於いて重要な役割を果たす「免疫力」には、抗体タンパクの関わる獲得免疫、マクロファージなどによる自然免疫と並んで、各種酵素が働く細胞内免疫という3つのシステムがある、と説明しました。そして獲得免疫は高度なシステムではあるものの、迅速かつ柔軟に働くのはむしろ自然免疫や細胞内免疫の方である、ともお話しました。
とりわけ細胞内免疫は、ウイルスなど病原菌の排除に働くだけでなく、各種有害物質の解毒や古くなったタンパク質のリサイクルなどにも重要な役割を果たしています。いうなれば細胞の、そして体の「お掃除役」としての位置づけです。そのように体内のお掃除をしてくれる細胞内免疫を活性化することは、風邪やインフルエンザなどの予防に役立つだけでなく、各種の病気の予防や若返り、体調の維持に欠かせません。

その細胞内免疫を活性化する上で大切な要素の一つが「食事と栄養」です。例えば「風邪を予防するためにリンゴを食べましょう」などと呼び掛けているのは、リンゴに風邪を予防する上で有効な栄養成分がたくさん含まれているためです。それと伴に、疲労回復やガン予防の効果もあることが知られています。昔から「リンゴ赤くなると医者青くなる」などと言われていましたが、リンゴの健康上の効能を先人は知っていたのです。
リンゴに限らず、風邪や花粉症を予防し、疲労回復などに有効な食材としては、トマト、ニンジン、ブロッコリー、ミカン、ニンニク、ショウガ、レモン、パセリ、ネギ、タマネギ、イチゴ、セロリなど多数の野菜や果物が挙げられます。食材にはそれぞれ有効成分の含有量に違いがあり、健康上の効果にも得意分野がありますが、全体として野菜や果物を日常的にたっぷりと摂取することが、何より重要です。

野菜や果物などの食材には、どのような有効成分が含まれているのでしょうか。ビタミンCやビタミンB群などはよく知られており、その作用に関しては前述しましたが、それ以外に様々な「抗酸化物質」が含まれています。代表的なものとしては、トマトやリンゴに含まれるリコピン、カボチャやニンジンに含まれるベータカロチン、緑茶に含まれるカテキン、大豆に含まれるイソフラボンなどが挙げられます。
これら抗酸化物質が、体内ではどのように働いているのでしょうか。食材に含まれる抗酸化物質は多種類にわたり、また体内には元々備わっている抗酸化物質が存在します。内在および外来の抗酸化物質が、協働して様々な抗酸化作用、解毒作用、さらに免疫力向上などに寄与しています。すなわち抗酸化力とは、自前の抗酸化力に食事からの補給を加味した「総合力」により発揮されるのです。
例えば体内にはグルタチオンという抗酸化物質が肝臓を中心に備蓄されており、有害物質の解毒や疲労回復、動脈硬化抑制などの作用に当たっていますが、加齢やストレス、タバコ、睡眠不足などの影響で減少してしまいます。このような抗酸化物質の減少が老化や病気の発症に関わっているのですが、これを補うのが日常的な食事からの各種抗酸化物質の補給なのです。

それでは抗酸化物質さえ充分に摂取していれば、風邪や花粉症などの病気には罹ることがないのでしょうか。ところが現実はそう甘くありません。抗酸化力、免疫力を著しく低下させるものが存在するのです。その一つが「良くない油」です・・(続く)

投稿者 蒲田よしのクリニック | 記事URL

2017年3月 6日 月曜日

風邪のウイルス駆逐する「細胞内解毒酵素」の威力とは!?

吉野です。皆さんこんにちは。早くも3月に入りましたが、例年の事ながら2月というのはとても短く感じます。実際に2月は、うるう年を除いて28日しかないため物理的に短いのは当然ですが、年度末で忙しい3月を控えて、あっという間に過ぎ去ってしまう、という実感を持っている方は多いのではないかと思います。寒い日が続いているとなおさら「まだ冬だと思っていたら、もう3月か・・」などと感じる事でしょう。
それに2月末というのは、何かと慌てることが多い時期です。例えば、どこかと契約してこの様なコラムを書く場合にも、月末が締切りという決まりであれば、月末は30日や31日であるという思い込みから「あと5日で書けばいい」などと考えていると、実際は締切りが明後日だったと判明し、慌ててしまうことがあります。また商店などでは営業日が少ないため、売上げなどに影響が出ることも少なくありません。

さて少し暗い話題となりますが、3月といえば、メンタルヘルスの面から要注意の時期という側面があります。というのは、数年前の若干古いデータではありますが、自殺者が年間で最も多い日は3月1日である、との報告があります。月初の1日も含め、3月は以前から自殺者が多い月の一つとして知られています。自殺以外にも、うつ病などメンタル不調を伴う疾患は、3月など春先に発症、増悪するケースが目立ちます。
それでは何故、3月1日に自殺者が多く出るのでしょうか。一つの要因として挙げられているのが「人事異動」です。3月初旬の頃は、多くの企業に於いて春の人事異動が発表になる時期です。当然の事ながら昇進する人もいれば降格となる人もいますし、転勤や配置換えなどの異動も明らかにされます。意に反した昇格や降格、異動となって、過大なストレスを感じる人も少なくありません。

私はクリニック経営の傍ら、産業医の業務も並行して行なっている関係で、仕事上のストレスが原因となるメンタル不調に関する相談をよく受けますが、昇進や異動などを契機にストレスが増大し、メンタル不調の発症、増悪に至るケースは多々見受けます。降格はともかく昇進してメンタル不調に陥るというと、一見して意外な感じを持つ方もいるでしょうが、いわゆる「昇進うつ」というのは案外、多いものです。
職場に於ける昇進に限らず、傍目には「幸せな変化」と映るライフイベント、例えば進学や結婚、開業や起業などは、目に見えないストレスが本人に降りかかって来るものです。例えば仕事の責任が増える、生活環境が変わる、付き合うべき人間が増える、など様々な負荷がかかります。但し昇進、結婚などは一般に「幸せな」変化と世間ではみられるため、ストレスが増えた、などとは口にしづらいので、表面化しにくいのです。

このような環境の変化に伴うストレスやメンタルヘルスは、たいへん重要なテーマですので、日を改めて詳しく解説したいと思います。

さて前回は、風邪やインフルエンザ、花粉症などを予防あるいは早期治療する上で、毎日の食事が大切であることを説明しました。とりわけ各種ビタミン・ミネラルの必要性を述べた上で、抗酸化成分も劣らず重要であると話しました。今回は様々な抗酸化成分が風邪やインフルエンザなどに対し、どのような仕組みで効果を発揮するかについて説明したいと思います。
風邪をひくと我々は熱や咳、のどの痛み等の症状に見舞われますが、殆んどの場合、数日以内に自然と治ってしまいます。よく「風邪ひいて薬を飲んだら治った」などという話を聞きますが、実は風邪薬というものは、発熱や咳など風邪にまつわる症状を緩和するだけであり、決して風邪を治癒させるような代物ではありません。自然治癒力としての「免疫力」によって、我々は自ら風邪を治しているのです。

免疫力には幾つかの方式があり、このうち特定のウイルスに対する抗体が働く免疫システムを「獲得免疫」といいます。インフルエンザなどのウイルスが体内に侵入すると、それを弱毒化、排除する目的で、リンパ球という免疫細胞が抗体タンパクを産生します。この仕組みを利用したのがワクチンであり、予防的な効果としては威力充分ですが、効果が現れるのには数日かかるため、迅速さという点では若干物足りなさがあります。
迅速と融通無碍さでこれを補うのが、マクロファージなどの貪食細胞が担う「自然免疫」です。マクロファージはウイルスの種類に関係なく、体にとって異物と認識できるものは片っ端から迅速に貪食し排除します。ウイルスが侵入し感染、発症した後、早期に出動するのは自然免疫であり、獲得免疫ではありません。獲得免疫が魚類以上の高等動物に特有のシステムであるのに対し、自然免疫は昆虫など小動物にも存在しています。

実はマクロファージなどの自然免疫よりも「さらに自然な」免疫システムの存在が知られています。これは個々の細胞内に於ける自前の免疫現象であり、特定の専門的な免疫細胞が担当している訳ではありません。これには主として細胞内の各種「酵素」が関係しています。細胞内の酵素は様々な有毒物質や異物を解毒し無毒化、排除していますが、並行してウイルスや細菌などの病原体の排除にも一役買っているのです。
細胞内酵素は古くなったタンパク質を分解し、再利用する事にも貢献しています。すなわちファゴソームという膜でタンパク質を囲い込み、酵素で分解するのです。これはオートファジーと呼ばれ、ノーベル賞の受賞対象となった概念です。細胞内の解毒とタンパク質リサイクルに関わる巧妙なシステムの一環として、ウイルスなど病原体から細胞や生体を守るシステムが日々働いているのです。

このような、いうなれば「細胞内免疫」ともいえる仕組みは、小動物どころか単細胞生物の時代から存在していた、とされています。免疫細胞を備えていない単細胞生物は、細胞に内包された仕組みでしか病原体から身を守れません。そしてこの細胞内免疫は極めて迅速です。ウイルスが侵入した後、真っ先に細胞内免疫が初動し、次にマクロファージなど自然免疫が支援し、数日たって抗体など獲得免疫の出番となります。

それではこの迅速に働く細胞内免疫を、少しでも強化する方法はないのでしょうか。その答えの一つが各種「抗酸化物質」の積極的な補給なのです・・(続く)

投稿者 蒲田よしのクリニック | 記事URL

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