院長の健康まめ知識

2015年1月27日 火曜日

野菜も肉も食べて風邪&インフル撃退!免疫を上げる食事作戦

(続き)・・こうして風邪やインフルエンザに関するブログを書いている私ですが、恥ずかしながら先週、私自身が軽い風邪をひいてしまいました。21日の朝起きがけに喉の痛み、咳、鼻水に見舞われ「しまった!」と感じたものです。症状からは現在はやっている風邪の1種類であり、久々にウイルスを頂いてしまいました。
私はここ数年めったに風邪を引きません。軽い風邪を1年か2年に1回ひく程度で、風邪で寝込んだり仕事を休んだりした事は一度もありません。だから油断をしていたという訳ではありませんが、ここ1ヶ月で数百人もの風邪やインフルエンザの診察をしましたので、どこかでウイルスを拾ってしまったと考えられます。

但し今回の風邪は、極めて軽症かつ短期間で済みました。風邪気味の時はよくやる作戦ですが、小青竜湯などの漢方薬を内服し、毎日のように飲んでいるノニジュースやサプリメントを増量して飲み、ラドンルームに入ります。今回は行ないませんでしたが、プラセンタ注射のまとめ打ちやマイヤーズカクテル等の点滴を行なうこともあります。
そして今回に限りませんが、果物をたくさん食べます。今の時期ならばミカンやリンゴ、イチゴなどの果物を、普段の倍くらい摂取します。風邪をあまりひかなくなったのは、果物や野菜をたくさん食べるなど食生活を変えたことが大きいのです。今回の風邪は幸運なことに、2日も経たずに多少の鼻水を残して治癒しました。

さて前回は、風邪やインフルエンザを予防する、あるいは軽症で済ませる事に威力を発揮する「自然免疫」の役割に関して説明しました。風邪やインフルエンザのウイルスが蔓延している状態で、現実によく罹る人と滅多に罹らない人とがいるのは、ひとえにこの自然免疫の力に関して、意外と大きな個人差が存在する事によります。風邪というものは罹る人が罹り、罹らない人は罹らないという、不公平な事実があるのです。
自然免疫というものはマクロファージ等の原始的な免疫細胞、或いは個々の細胞そのものが受け持つ免疫システムですが、その働きの良し悪しは体内の酸化物質や有害物質などの蓄積具合に左右される、と説明しました。端的に言うと、体の組織や細胞が汚れた状態では免疫力が低下し、清浄な状態では免疫力が向上します。ということは、免疫力を高めるためには、いわば体内を綺麗な状態に保っておく必要があるのです。

風邪やインフルエンザを予防する、或いは軽症で済ますために、我々は具体的にどのような生活を心がければ良いのでしょうか。言い換えると、どのようにすれば酸化物質や有害物質の蓄積を防ぎ、体内を綺麗な状態に保っておけるか、という事でもあります。それには大きく分けて、これら有害な物を最初から体内に入れないようにする事、そして有害な物を体外に排出しやすくする事、という2つの要素があります。
有害な物質は世の中の至る所に存在します。食品添加物、酸化した油、各種の薬品、農薬、有害重金属、塗料など、全て挙げたらそれこそ枚挙に暇がありません。そういう有害物質は毎日の食事や嗜好品、化粧品、建造物、水、大気などから容赦なく体内に侵入してきます。従って体の汚染を防ぎ免疫力を向上させるためには、これらの毒性物質を出来るだけ体内に取り込まないような工夫がぜひとも必要です。
反対に、有害物質の排除に役立つ食材や栄養素を積極的に摂取し、排除を促すような生活習慣を身に付けることが大切です。例えばビタミンCなどのビタミン類や亜鉛などのミネラル類は様々な健康上の効能をもちますが、その一つとして「解毒作用」があります。重金属や化学物質などに吸着し、体外への排出を促進するほか、解毒酵素の産生を誘導し、体全体の解毒能力を向上させるのです。

実際の食事や生活では、具体的にどうすれば良いのでしょうか。食生活で基本的なことの一つに、新鮮な野菜や果物をしっかり食べることが挙げられます。種類によって様々なバリエーションがありますが、野菜や果物にはビタミンB群やビタミンC、亜鉛、鉄、マグネシウム等の微量栄養素がたっぷりと含まれています。また体の酸化を防ぐポリフェノール等の有効成分や、腸内環境を整える食物繊維も豊富に含まれています。
実際の生活実感としても、新鮮な旬の野菜や果物をたっぷり食べると、体が洗われたような体の充実感を覚えるものです。現に私も含めて、野菜や果物の食べる量を増やした結果、風邪を滅多にひかなくなった人は少なくありません。例えば冬が旬のリンゴには、ビタミンCはもとよりビタミン各種、亜鉛、鉄などミネラル各種、食物繊維などが豊富で、昔から「リンゴ赤くなると医者青くなる」などと効能を讃えられたものです。

意外と忘れられがちですが、タンパク質やその構成成分であるアミノ酸も、風邪やインフルエンザ予防にはたいへん重要です。獲得免疫の主力である免疫グロブリンはタンパク質そのものですし、マクロファージなどの免疫細胞、そして免疫に関わる個々の細胞の構成成分の一つはタンパク質です。従ってタンパク質不足に陥ると、免疫グロブリンの減少や免疫細胞の機能不全を通して、免疫力の著しい低下を招くのです。
タンパク源として、真っ先に挙げられるのは「肉」です。肉といえば、コレステロールが上がるなどと良くないイメージもありますが、アミノ酸構成から考えると、最も優れたタンパク源といえます。それと並んで魚介類や大豆製品なども重要なタンパク源です。魚介類はEPAなどの優良な脂質に富み、大豆はイソフラボンなど若返りの成分にも恵まれます。年齢や体質に合わせて、タンパク源を上手に取り入れましょう。

反対に、砂糖や炭水化物など糖質の摂り過ぎには注意が必要です。糖質の摂り過ぎは血糖値の乱高下とビタミンB群などの消耗を招き、免疫力や解毒力を低下させかねません。また添加物の多い加工食品や脂っこいファストフード、インスタント食品なども要注意です。これらの過剰摂取によって、単に風邪やインフルエンザに罹りやすくなるだけでなく、動脈硬化やメンタル不調、アレルギー疾患、さらにはガンなどの発症にも関係してきます。

次回は免疫力を低下させる要因の一つである「低体温」と、体温や代謝を向上させる工夫などに関してご説明します・・(続く)

投稿者 蒲田よしのクリニック | 記事URL

2015年1月17日 土曜日

自然免疫&解毒酵素は働き者・・風邪インフルも水際で撃退!

(続き)・・この文章を書き始めた15日、東京は久々の雨降りでした。雨というものは概してうっとうしい現象ですが、関東地方ではしばらくカラカラ天気が続いたため、むしろ「恵みの雨」という感じもしました。特に私は長らく雪国の山形に住んでいたため、冬に晴れ続きというのは未だにシックリきません。
天気予報では当初、16日にかけて雪になる可能性がある、と報じられました。冬ですので雪が降るのは当たり前、と私は感じるのですが、東京生まれの方々にとって雪降りは一大事です。結果的に今回は降りませんでしたが、数センチも雪が積もると電車は止まる、高速道路は通行止め、転倒者が続出、などと上を下への大騒ぎです。

関東地方に雪を降らせる犯人は俗に「南岸低気圧」と言われる移動性低気圧です。一般的に冬に特有の「西高東低」の気圧配置に於いて、関東地方では山越えの乾いた季節風が吹き、非常に乾燥した気候となります。ところが春先の頃に太平洋側を低気圧が東進すると、風向きが変わり関東地方に時ならぬ大雪を降らせることがあるのです。
但し太平洋側を低気圧が東進することは少なくありませんが、その度に必ず雪が降る訳ではありません。低気圧が通るコースによって雪になることもあれば、雨になることもあり、また降水がない場合もあります。統計的には、八丈島付近を通過した場合に雪が降りやすいとされており、昨年2月の2週連続の大雪の時もそのパターンでした。

さて前回は、風邪やインフルエンザを予防する、あるいは早期に治癒に導く「免疫システム」に関してお話しました。ウイルスというものは体内への侵入を防御し切れるものでは決してなく、自分の体内で風邪やインフルエンザの発症を未然に防ぐ、あるいは軽症に留めるための仕組みがどうしても必要です。そのために欠かせないのが、人体に備わった各種の免疫システムなのです。
その免疫には大きく分けて「獲得免疫」と「自然免疫」の2つの仕組みがあります。獲得免疫はリンパ球や免疫グロブリンなどが関与していますが、侵入したウイルスなど外敵の情報を記憶して、次に外敵が侵入した際に迅速に反応し排除します。人類を含む脊椎動物が獲得した高度な免疫システムですが、免疫グロブリンが産生されるのに5~7日ほどかかるため、初回のウイルス侵入に対しては意外と無力な側面があります。

これに対して自然免疫は、マクロファージや顆粒球、ナチュラルキラー細胞などといった「原始的」な免疫細胞が受け持っていますが、ウイルス侵入の記憶の有無に関わらず、ウイルスを迅速に攻撃、排除することが特徴です。獲得免疫に比べてメカニズムは単純で非効率な要素がありますが、最近の研究により、人間や動物の免疫の主体は、獲得免疫よりもむしろ自然免疫の方だということが分かってきました。
すなわち突発的な感染症に対してはマクロファージ等による自然免疫が迅速に働き、ウイルス等の病原体を排除します。昆虫など原始的な生物体の場合はこの自然免疫が全てであり、これらの細胞の働きがその生物体の免疫力を決定づけています。これに対して脊椎動物となると体が巨大化、複雑化し、感染症への備えも自然免疫だけでは追いつかなくなります。そこで獲得免疫という高度な免疫システムが構築されたのです。

マクロファージや顆粒球などの免疫細胞は、具体的にどのような働きをしているのでしょうか。これらは免疫グロブリンのような飛び道具は用いず、それこそ異物や外敵を盛んに「貪食」しています。細菌やウイルスのような病原体はもちろんのこと、ガン細胞も貪欲に破壊します。実際に我々の体の中では毎日のように数千個ものガン細胞が新たに発生しますが、免疫細胞がシラミつぶしにガン細胞を破壊しているのです。
原始的な動物に於いて、最初に形成された臓器は「腸管」でした。摂取した食物には細菌や寄生虫も多量に含まれているため、これらの外敵を排除する目的で登場したのがマクロファージ等の免疫細胞です。実際に、これらの免疫細胞の7割は腸管に局在することが分かっています。従って腸内環境を改善することが、免疫力を維持、向上させる上で最も大切な要素の一つといえるのです。

自然免疫には実は、もっと細かい細胞レベルの要素もあります。さらに原始的な生命体である植物や単細胞生物には当然のことながら、マクロファージ等の免疫細胞がありません。これらの生命体はいったい、どのようにして細菌などの外敵から我が身を守っているのでしょうか。それは一つには「細胞内の免疫システム」が存在し、侵入した外敵の排除に貢献していますが、これも広い意味での自然免疫に含まれます。
体内には何千種類もの酵素がありますが、そのうち細胞内には数十種類の「解毒酵素」が存在します。これらの酵素は細胞内で発生した、或いは細胞外からもたらされた毒物や酸化した物質、不良タンパク質など有害なものを片っ端から排除していますが、それと並行して細菌やウイルスなど病原体の排除にも寄与しています。解毒酵素はこのように、有害物質と病原体の双方をやっつけてくれる働き者なのです。

ここで我々の体内が毒性の物質や酸化した物質で埋め尽くされていた場合には、働き者の解毒酵素はこれら有害物質の処理で大わらわとなり、それでも足りず有害物質は溜まり続けていきます。そうなると、細菌やウイルスなど病原体の排除が後回しとなり、容易に感染症の発症、あるいは拡大を許してしまいます。すなわち病原体への「免疫力」が低下した状態に陥ってしまうのです。
反対に有害物質の産生あるいは侵入が少なく、またその処理が滞りなく進んでいる場合には、解毒酵素には病原体を排除する余力があり、免疫力の高い状態が維持されます。ということは、免疫力を維持、向上させるための重要なポイントの一つが解毒力、抗酸化力を向上させること、にあります。そしてそれを達成させるために必要な取り組みとして、食事や栄養バランスなどの重要性があるのです・・(続く)

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2015年1月10日 土曜日

変幻自在の風邪&インフルを即撃退!地味だが強力な自然免疫

(続き)・・今年に入り初めてのブログです。遅ればせながら、皆様あけましておめでとうございます。お正月休みに続いて今週の土曜日から成人の日からみの連休に入りましたが、いかがお過ごしでしょうか。休みの日が多くて楽だと感じる反面、休みばかり続いて退屈な思いをしている方も案外、多いのではないでしょうか。
今年の年末年始はたいへん日並びが良く、長い休みを取りやすいお正月休みでした。それに伴い、遠出する人がかなり多かった模様です。但し国内旅行は各地で伸びているものの、円安の影響のため海外でお正月を過ごす方は、全般に若干減っているそうです。為替というのは本当に、生活に直結しているものだと感じます。

この年末年始を狙っていたかのように、とても寒い日が続いています。最高気温や最低気温は各地で平年を下回り、積雪が例年以上という地域も多くなっています。1月以降も大雪になりそうだ、という気になるニュースが出されています。多少の寒さや雪は我慢できるとしても、交通機関が乱れてしまっては、全くお手上げですよね。
そういえば冬を迎える前の10月か11月ころには、「この冬はエルニーニョの影響で暖冬になりそうだ」という長期予報が出ていました。しかし箱を開けてみれば、暖冬どころか例年以上の「厳冬」という印象さえあります。もっとも暖冬の場合でも、地域によっては積雪量がむしろ増える場合があり、一様に暖かい冬になるとは限りません。
エルニーニョといえば、この夏にも「エルニーニョの影響で冷夏になりそうだ」という予報がありましたが、この予報は半分当たって半分外れました。「当たり」は西日本などで、大雨が続き各地で水害に見舞われたほか、農作物が軒並み不作となりました。一方「外れ」は東日本などで、昨年を思わせる猛暑となりました。

さて前回は、風邪やインフルエンザを予防する一般的な方法に関して検証しました。ワクチンやマスク、うがい、手洗いなどの方法には一長一短があり、それらを上手く組み合わせることが大切です。とはいえ、どのような優れた方法でウイルスの侵入を防ごうとも、完全にウイルスの侵入を防ぐことはできません。ウイルスはいつの間にか体に入り込んでしまうものであって、感染させないことが遥かに重要です。
体内に居座った風邪やインフルエンザのウイルスを、感染させないためにはどのようにすれば良いのでしょうか。感染に至る経路には様々な要素がありますが、一言でいうと「免疫力」を向上させることが最大のポイントです。体内に侵入してきたウイルスを暴れさせないだけの免疫力を維持してさえいれば、風邪もインフルエンザも発症する心配はさほどありません。免疫力の強弱が、風邪への罹りやすさを左右するのです。

一言で「免疫力」と言いますが、免疫力とは具体的にどのようなメカニズムを指すのでしょうか。よく話題になるものとして、リンパ球や免疫グロブリンが挙げられます。リンパ球には大きく分けてT細胞とB細胞とがあり、協同して細菌やウイルスなどから身体を防衛していますが、このうちB細胞が免疫グロブリンというタンパク質を産生し、ウイルスなど外敵の排除に貢献しています。
端的な例として、麻疹(はしか)は一度かかると「二度かからない」とされていますが、これは麻疹に感染することによって麻疹ウイルスに対する免疫グロブリンがリンパ球によって産生されるためです。ウイルスに感染すると、そのウイルス感染の「記憶」が免疫グロブリンという形で残され、次にウイルスが体内に侵入した際には速やかに免疫グロブリンが働き、発病を未然に防ぐのです。

風邪やインフルエンザの場合、麻疹とは事情が若干異なります。確かにウイルスに感染すると免疫グロブリンが産生されますが、これによって二度と感染しない、ということにはなりません。これは皆さん身に染みて実感していることと思います。風邪やインフルエンザの場合には、ウイルスの「型」が刻々と変化し、また時折「新型ウイルス」が登場するために、過去の感染による免疫グログリンが役立つとは限らないのです。
このようなウイルスの変化しやすさを受けて、インフルエンザのワクチンは毎年繰り返して接種することが推奨されています。すなわち前年に受けたワクチンが、1年後にはウイルスの変異により効果が薄れてしまうのです。さらにウイルスの型が激変して誕生する「新型インフルエンザ」に至っては、従来型のウイルス向けのワクチンが全く効果を見せず、大急ぎで新型ウイルス向けのワクチンを生産する必要に迫られます。

また作用するタイミングの点でも、免疫グロブリンが感染防御に間に合うとは限りません。免疫グロブリンが充分なだけ産生されるのは通常、ウイルスが体内に侵入して5~7日が経過してからです。それまでの感染初期には充分量の免疫グロブリンが未だ体内に存在しないのですが、それでもウイルスに対する免疫が全く働かない訳ではありません。実際に多くの場合、ちょっとした風邪は4~5日程度で治ってしまうものです。
ということは、風邪やインフルエンザの感染初期に、感染拡大防止のために働いている免疫システムが他に存在するはずです。すなわち免疫グロブリンが充分なだけ産生されるのに先立って、風邪の初期にいち早く作動する免疫システムです。風邪を滅多にひかない、あるいは風邪が軽いうちに治ってしまうような人は、この「初動の免疫システム」が上手く機能していると考えられるのです。

この迅速な免疫システムは一般的に「自然免疫」と呼ばれており、マクロファージや顆粒球、ナチュラルキラー細胞などが担っています。これに対して上述のリンパ球や免疫グロブリンは「獲得免疫」と呼称され、区別されています。この自然免疫は最近の研究で、免疫の主体的な役割を占めていることが判明しました。そしてそれは、食事や栄養、体温などといった条件の影響を強く受けるのです・・(続く)

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