院長の健康まめ知識

2017年7月20日 木曜日

梅雨明けで猛暑到来・・日照遮断&水分補給で熱中症撃退!

吉野です。こんにちは。連日のようにとても暑い日が続いていますが、皆さん夏バテなどしていませんでしょうか。全国各地で最高気温30℃以上の真夏日、あるいは地域によっては同35℃以上の猛暑日が続出しています。九州北部の豪雨災害に見舞われた地域でも暑さが増しており、被災者の方々やボランティアの方々は、復旧作業など大変だと思います。北海道でも所によっては本州並みの猛暑となっています。
これだけ暑さが続くと梅雨明け発表が気になるところでしたが、19日に中国・四国地方から関東甲信地方まで一気に梅雨明けしました。カンカン照りのわりに遅いな、という感じもしましたが、関東などの梅雨明けは平年より2日早いそうで、全般に決して遅れていた訳ではありません。ある気象予報士によると、15~17日の連休前後に北日本が大雨となり、その影響を見極めた上での梅雨明け発表となった、という事です。

梅雨明け前後は例年のように、とにかく暑くなります。よく「梅雨明け10日」と言いますが、梅雨明け直後の10日間くらいは、とりわけ晴れて気温が上がる傾向があります。そうだとすると、今がまさに梅雨明け10日の最も暑い時期、と言えそうです。しかも気象庁からは西日本~東日本にかけて「7月中~下旬は平年より高温傾向」という予報が出ており、まさにその通りの猛暑傾向となっています。
暑さ以外にも一つ異常な点があります。それは「雨が少ない」という事です。先日の福岡・大分両県に於ける大雨・洪水被害からは意外な印象を受けますが、九州北部や北陸など一部を除き、全国的には少雨の傾向が続いています。入梅以降も「空梅雨」の傾向だったのです。特に関東地方の荒川水系、利根川水系などでは渇水気味となっており、総じて例年の半分以下という少ない降水量です。

そのような「ジリジリした猛暑」に見舞われ、熱中症にかかる人も増えています。例えば7月10日から16日までの1週間で、熱中症のため救急搬送された人が全国で7680人に上っています。その前週は4241人、前々週は1914人でしたので、急激に増えていることが分かります。また7680人に救急搬送者のうち重症は2759人、死亡者は6人という数字が出ています。
熱中症による死亡例に関して記憶に新しいところでは、埼玉県で知的障害者が猛暑の車内に6時間も放置され、熱中症で死亡したという悲しい事例もありました。自動車の車内は直射日光が当たると、60℃から70℃くらいまで室温が上がる事もあり、とりわけ子供や老人、体が不自由な方などは、室内に閉じ込められるような事態を防止しなければなりません。

蒲田よしのクリニックに於いても、本格的な熱中症の方こそ見かけないものの、夏バテの方もしくは軽い熱中症気味の方は、それこそ毎日のようにいらっしゃいます。そのような方は単に暑さというだけでなく、日常の過労や睡眠不足、栄養バランスの乱れなどが隠れていることも少なくありません。多くの方々は「マイヤーズカクテル」や「グルタチオン」などの点滴を受けると、とりあえずはシャキッとして帰られます。

このブログでは先月から、夏の暑さに備えて「夏バテ予防法」などに関して、いくつかの角度から解説してきました。これらはとても大切な事ですし、今後も続けて解説していきたいと思うのですが、これだけ例年以上のペースで急速に暑くなってくると、夏バテ予防法を一たん脇に置いて、当面の急速な暑さに関する「熱中症予防」、もしくは夏バテや熱中症にかかった場合の対処法、治療法についての解説が求められそうです。
そこで今回から少しの間、熱中症と夏バテを撃退するための「即効の対処法」に関して記述したいと思います。とりわけ35℃前後、あるいはそれ以上の猛暑となった場合、先ず必要な事とは何でしょうか。最初に考えるべきは「日射を避ける」事です。日射の直撃を受けるのとそうでないのとでは、体への高温の影響にはかなりの差が生じます。とりわけ頭部への直射日光の直撃を避けることが第一のポイントです。

日光の直撃を避ける方法として、先ず挙げられる物に「帽子」があります。帽子はまさに頭をすっぽり包み込む様にかぶるため、頭部を守る一定の効果はありますが、その形状により効果に若干の差が生じます。例えば野球帽の場合、ツバの部分が前方にのみ設けられており、日照を遮断する効果は意外と限定的です。麦わら帽のように、全周にわたってツバのついた帽子の方が、日照の遮断という点ではより効果的です。
最近とりわけ有効性が評価されているのは「日傘」です。日傘は帽子と違って肌と密着せず、風通しも確保できるのがメリットです。また頭部を含む上半身全体を日照から遮断するため、暑さを軽減する上で意外と大きな威力を発揮します。実際に日傘を使用する人は男性も含め増えてきており、使用を開始してから夏バテしなくなった、などの変化を感じる人も少なくないようです。

次に「水分」の補給がたいへん重要です。熱中症に陥る人に共通する特徴として、水分不足が挙げられています。気温が上がる日中だけでなく、眠りについており、場合により飲酒する夜間にも熱中症が多発しているのは、水分不足がいかに熱中症を誘発するか、を如実に語っています。喉が渇いてから水を飲むのでは少々遅く、喉が渇く前から積極的に飲水する、という習慣が求められます。
それでは、どのような水を飲むのが正しいのでしょうか。基本的には「真水」を主体としますが、汗をたくさんかいた後は「塩分」の摂取も必要、とされています。確かにそれも一理ありますが、塩分を取り過ぎるとかえって喉が渇いてしまいますし、汗をかいた後に必要なのは塩分、すなわち塩化ナトリウムだけではありません。カリウムやカルシウム、マグネシウム、ビタミン各種も同様に補給する必要があります。

実際に摂取する水分として、よく推奨されるのが「スポーツ飲料」や「経口補水液」です。これらは塩分と糖質がそれぞれの比率で含まれており、胃腸から吸収されやすい状態に工夫されています。これらを活用するのも有効ですが、飲み過ぎには要注意です。というのは、含有されるブドウ糖や塩分の影響で、喉が渇きやすくなるためです。それに血糖値の上昇のリスクもあります。従って、ほどほどの飲用に留めるべきです。
日常生活では真水を主体とし、これら塩分や糖質を含んだ飲料水は、補足的に用いるのが原則です。ただ猛暑下で、熱中症になりかかっている時には、少し多めに飲んでも良いでしょう。意外と効果的なのが「梅干し」です。これは一定の塩分を含むほか各種ミネラル類も豊富です。また疲労回復に効果的なクエン酸なども含有しています。それと並んでレモンやスイカ、ナシなどの果物も熱中症予防には有効です。

いよいよ体が熱くなり、熱中症になりかかったら、体温を下げてやる必要が生じます。こういう時は「水」と「氷」の活用が有効です・・(続く)

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2017年7月 8日 土曜日

脳を冷やして守る人間の性・・割りを食う「腸」の健気さ!

吉野です。こんにちは。梅雨も後半に入り、蒸し暑い日が増え、早くも夏バテ気味の方が続出するようになってきましたが、皆さん如何お過ごしでしょうか。

それにしても福岡県や大分県などに於ける大雨被害は、本当にひどいものですね。被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。福岡県筑後地方、大分県日田地方などのごく限られた地域に於いて、ほんの数時間の間に数百ミリもの豪雨が降り続いたのですから驚異的です。河川から溢れた濁流が家や車を押し流し、巨大な流木が道をふさいでいる光景には、本当に戦慄を覚えます。
それでは、なぜ狭い範囲に集中的に大量の雨が降るのでしょうか。気象庁の説明では、記録的な大雨の原因は、停滞する梅雨前線に向かって、南に位置する太平洋高気圧から湿った暖かい空気が大量に流れ込んだためとされています。前線の北側には大陸由来の高気圧があり、そこから吹き出した涼しい空気が湿った空気と前線付近でぶつかり合い、大雨に繋がったといいます。

今回の水害のニュースなどでは、「線状降水帯」という用語が頻繁に出てきました。これは限定された細長い区域に、激しい降雨をもたらす積乱雲が次から次へとかかり続ける気象現象を指します。これが発生すると、ある地域には時間当たり百ミリ単位の驚異的な豪雨がある一方で、そこから数十キロ離れた地域では殆んど降雨がない、などという極端な降雨の地域的な片寄りが生まれるのです。
線状降水帯に伴うゲリラ的な降雨はここ数年、どこかで必ず発生しています。記憶に新しい所では、2年前の平成27年9月に茨城県を中心に発生した「関東・東北豪雨」があります。同年9月の秋雨前線の時期に、関東から東北にかけ広い範囲で水害に見舞われましたが、とりわけ茨城県常総市などで鬼怒川が数カ所にわたり決壊し、1万棟を越える家屋が浸水しました。この時も鬼怒川沿いに線状降水帯が長いこと居座りました。

このような線状降水帯の出現を含むゲリラ的な豪雨被害は、ここ数年で明らかに増加、甚大化している印象があります。集中豪雨そのものは昔からありますが、その頻度、規模ともに著しくなっているのです。日常の肌感覚から言っても、近年の雨の降り方は以前よりも激しくなってきています。代表的な雨の季節である梅雨にしても、シトシトという降り方より、いきなりザーッという降り方の方が目立つようになってきました。
何故このように、気候が激しさを増しているのでしょうか。今年の5月に気象庁から「このままでは21世紀末までに東京が屋久島と同じ気温になる」という予測が出されました。屋久島といえば鹿児島の南に位置し、まさに亜熱帯の気候です。20世紀末からの100年間で、東京では4.5℃も平均気温が上がる、というシミュレーション結果だそうです。東京も今世紀末までに「亜熱帯」になってしまうのでしょうか。

夏場の暑さと伴に、地球温暖化が降雨の激しさに関係しているのは、どうやら確かなようです。この問題に関しては、また日を改めて検討したいと思います。

さて前回のブログでは、人間ほど汗をかく動物はいないこと、36.5℃という人間の体温は哺乳類の中では異例なほど低い事を説明した上で、それは一つには非常に発達した人間の「脳」を暑熱から守るためである、などとお話しました。脳はコンピューターと同じく熱に弱いため、特に上半身に多数の汗腺を備え、代謝を維持する上でギリギリの36.5℃という低めの体温を人間は受け入れているのです。

そのように人間は体温を低めに設定し、汗をたっぷりかいて「脳を冷やす」ことを優先しているのですが、そのために割を食っている場所が人体には幾つもあります。肺や心臓、肝臓、筋肉など多くの臓器・組織は冷えを嫌いますが、その代表格は「腸」です。腸というのは重要な消化器官であるばかりでなく、免疫の一つの中枢であるなど様々な機能をもつ臓器ですが、低温や冷えに弱いという特徴があります。
我々は日常感覚でも、冷えが腸にとってストレスとなる事を感じています。例えば冷たい飲み物を飲み過ぎたり、クーラーが利き過ぎていた場合などには、お腹がキリキリと痛み、下痢気味となる事があります。昔のことわざで「雷が鳴ったらヘソ隠せ」というのがありますが、これは経験的に、雷が鳴ると雨が降って気温が下がることが多い事から、腹部が冷えるのを防ぐために腹部を衣服などで覆いなさい、という教訓です。

腸は他方「免疫」にも深く関わっている臓器です。全身の免疫細胞のうち、およそ7割が腸管に分布しているとされています。従って腸内環境の善し悪しが、免疫力の強弱に大いに関わってくるのです。その腸内環境を左右する要素には栄養バランス、自律神経バランス、腸内細菌叢のバランスなど、様々なものが挙げられますが、一つの重要な要素として「体温」があります。
体温が35℃台もしくは34℃台まで低下すると、途端に腸内環境が悪化することが知られています。例えば腸内環境の重要な要素の一つに「消化酵素」がありますが、代謝酵素と同様、消化酵素は36℃以下では充分な活性が発揮されません。従って消化不良の傾向となり、腸内細菌叢の乱れやフードアレルギーなどを誘発し、うつ病などメンタル疾患や各種アレルギー疾患、さらにはガンなどの発症を招きやすくなります。

さて近年、そのように35℃台や34℃台という低体温の方が明らかに増えてきていますが、それにはどのような理由があるのでしょうか。様々な要因が考えられますが、その一つに「冷房」の使い過ぎがあります・・(続く)

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2017年6月27日 火曜日

汗かき脳を守る人間・・36.5℃の体温は哺乳類一低い!

吉野です。皆さんこんにちは。梅雨前線が活発になり、ようやく梅雨らしい雨が降っています。雨が続くと確かに鬱陶しいのですが、今年の雨はとても貴重です。というのは、4月からの約2か月間、かなり雨量の少ない状態が続いているためです。地域により差はありますが、多くの場所で例年の半分以下しか雨が降っていないのです。少雨傾向がなお続けば、水不足のため農作物の作柄などに影響してしまうかもしれません。

さて私は今月前半の日曜日を利用して、山梨県の増冨温泉へ行ってきました。約7年ぶりの増冨での湯治です。増冨温泉は秋田県の玉川温泉、鳥取県の三朝温泉、北海道の二股ラジウム温泉などと並ぶ数少ないラジウム温泉の一つで、湧出する源泉に含まれるラドン濃度は、ほぼ世界一のレベルとされています。玉川温泉などと伴に、全国各地からガンなど難病の方が多数、湯治に訪れています。
増冨温泉はとても標高の高い位置にあります。甲府から真北方向、長野県境からさほど遠くなく、八ヶ岳に連なる山々の中腹に位置します。最寄り駅は中央本線の韮崎駅ですが、バスの終点であり、韮崎駅から1時間以上もかかります。前回もそうでしたが、湯治客に混じって登山から降りてきたとみられる方々も多く、疲れや筋肉痛を癒しているようでした。

増冨の湯はラドンが豊富なだけでなく、鉄分や炭酸など多くの有効成分が含まれており、ラドンによる「低放射線ホルミシス効果」はもとより、保温効果や血行促進、免疫力向上など様々な効能が謳われています。ホルミシス効果とは、低線量の放射線は体に無害であり、それどころか様々な健康上の効能が認められる現象を意味し、ガンなど難病に対する有効性も、主としてこのホルミシス効果によるところが大です。
さらに増冨の特徴は、湯の「ぬるさ」です。最近ぬるめの半身浴が推奨されていますが、多くは38℃から39℃くらいのレベルです。それに対して増冨のぬるさは半端じゃありません。浴槽が幾つかあり、各々30℃、35℃、37℃の湯が張ってあります。さすがに30℃はぬるすぎる、というより冷たいと感じる程の低温ですが、しばらく入っていると慣れてきて、むしろじんわりと汗が滲んでくるから不思議です。

その大変ぬるい「30℃」の浴槽には10人前後の男性が入っていますが、多くの人は殆んど微動だにせず湯に浸かっています。とてもぬるいので、長いこと入っていても滅多にのぼせる事はありませんが、10分や15分が経過しても殆んど人の出入りがありません。多くの人は30分以上も浸かっており、長い人は1時間以上も入っていると思われました。あっという間に時間が経ち、私も結局50分ほど浸かりました。
さて30℃の次は「35℃」です。当然の事ですが、30℃に比べるとかなり温かく感じます。いわば「温泉らしい」お湯といえますが、さすがに1時間近くも入っていられません。ここには30分ほど浸かりました。続いて「37℃」です。たった2℃の違いですが、いかにも「お風呂」といった感覚です。15分ほど入り、大満足で上がりました。湯治の後、しつこい肩凝りがウソのように解消したのが印象的でした。

増冨温泉を含むラドン温泉、および低放射線ホルミシス効果に関しては、また日を改めて詳しく解説したいと思います。

さて前回のコラムでは、低体温および汗をかけない人が増えてきている事、そのような条件では体温調節に支障を来たし、熱中症のリスクが高くなる事、などをお話しました。すなわち汗をかく事で体に溜まった熱を冷ますことが出来ますが、汗をかけないとそのような「冷却効果」が発揮されず、暑い環境の下で体温が異常に高くなりがちです。そしてそれが嵩じると、熱中症の引き金となってしまいます。
人間の体温は36.5℃前後とされていますが、近年では35℃台もしくは34℃台という低体温の方がたいへん増えています。それと並行して、汗をかく習慣が少ない、なかなか汗をかけない、という人も増加しています。それによる健康上の弊害も深刻さを増しているのですが、なぜ現代の我々は、体温が低くなってしまった、そして汗をかけなくなってしまったのでしょうか。

それには先ず、そもそも汗とは何か、或いは人間の体温は何故36.5℃なのか、という事から考えてみる必要があります。人間にとって汗とは誰でも暑くなれば流す、ごく当たり前の体液ですが、よく観察すると、他の動物は人間ほどには汗をかいていない事に気がつきます。また体温も他の動物、例えば犬や猫、牛、豚、鳥などは人間より軒並み高く、37℃台から41℃台までに分布しています。
すなわち人間は体温が他の哺乳類や鳥類などに比べて例外的に低く、また特別に汗をかく動物なのです。それでは何故、人間の体温は低めであり、汗をたくさんかくのでしょうか。その理由を考える上で重要なキーワードの一つは「脳」です。人間は他の動物に比べて脳を異常なほど発達させ、言語や高度な思考力を駆使し、文明を生み出してきました。その脳を守るために、体温が低めで汗をよくかく、という訳です。

脳は本質的にコンピューターと似て、熱に弱いという性質があります。よく「熱にうなされてうわごとを言う」などと表現しますが、これは脳が熱に弱いことを示唆しています。それだけでなく脳は人体で最も多量のエネルギーを消費し、多量の熱を産生する場所です。従って脳の機能を維持するためには、有効な「冷却装置」を必要としますが、最も強力な冷却装置こそ、実は汗を生み出す「汗腺」なのです。
人間は脳を優先的に守る必要性から低めの体温を受け入れていますが、実は36.5℃という体温は、人体全般が許容できるギリギリの低い体温といえます。というのは、体内で化学反応を起こすための酵素が働ける温度の範囲が36~42℃であり、36℃以下では酵素が充分に働けなくなるためです。つまり35℃台あるいは34℃台という低体温では、体の営みが充分に発揮できていない可能性があるのです。

そのためにシワ寄せを食っている臓器や組織があちこちにありますが、その代表格は「腸」です・・(続く)

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2017年6月20日 火曜日

汗を「かけない」は危険!熱中症に繋がる低体温リスクとは

吉野です。皆さんこんにちは。梅雨入り後にも関わらず、関東から九州にかけては晴れの日が続いております。日差しの強い日は結構な暑さとなりますが、いかがお過ごしでしょうか。

さてこのブログでは少々珍しい政治のお話となりますが、先週の国会の不穏な動きには、とても驚いた方が多いのではないでしょうか。いわゆる「テロ等準備罪法案」の審議が続いていましたが、参議院に於ける夜を徹しての審議を経て、15日の朝に法案が成立しました。テレビで審議の様子を見ましたが、野党議員が口々に興奮気味で与党を非難するなど、大荒れの審議だったことがよく伝わってきます。
このブログは基本的に政治とは関係ないスタンスですので、法案の可否や政党の支持などを論ずることは一切しません。ただ正直な感想として、与野党ともに法案の深い議論をそっちのけで「政争」に明け暮れていた、という印象がぬぐえません。加計学園疑惑も横目で見ながら、何としても早く法案を通したい与党側と、何が何でも廃案に追い込みたい野党側との、泥仕合の様相を呈していた、というのが実感です。
徹夜の審議が終わり、目を充血させて「疲れました・・」とつぶやく議員の姿が印象的でした。睡眠を犠牲にして緊張が続く審議に臨んだのですから、それは極度の疲労でしょう。心からお疲れ様、と言いたいです。並の人間に議員は務まらないな・・とも改めて感じました。そうであればなおさら、このような顛末で法案が成立し、有権者の不安や不信感が広まってしまうとすれば、実にもったいない話ではあります。

国会といえば私は先月、永田町の国会議事堂を見学してきました。5月後半の日曜日に国会のうち参議院が開放され、一般の人が自由に内部を参観できたのです。前日にテレビのニュースで案内があったため、喜び勇んで出かけました。国会議事堂を一般人が見ることは出来ないと諦めていましたが、「国会をもっと国民に身近な存在に」という近年の国策により、議事堂の一般公開に舵を切ったため、期せずして見学できました。
予想より多くの人が見学に来ており、少し驚きました。全体で何百人いるでしょうか。来場者は年配の人が主体でしたが、若い人も少なくありません。中央塔のステンドグラスはとても荘厳で、感動的でした。調度品の数々も重厚で、文化財級の物も多数あります。何より感激したのが、国会中継などでお馴染みの扇型をした「本会議場」に入れたことです。まさかそこまで入れてくれるとは思いませんでした。
本会議場にズラリと並んだ議員席には、それぞれの議員のネームプレートが配置されています。有名な議員の名前も少なくありません。これらのプレートを眺めながら、ふと議員の「意気込み」というものを考えました。この意外と狭くて古風な椅子を獲得、あるいは維持するために、議員は「選挙」の洗礼を受けるほか、様々な挑戦をし、数々の試練を乗り越えるのです。やはり「並の人間」では務まらないな、と思いました。

さて前回は、夏の暑さが厳しくなるのと並行して、夏バテや熱中症に罹る人が増えてきている現状を説明しました。さらに暑くなったのは地球温暖化やヒートアイランド現象の影響があるとしても、夏バテ等が増えているのはそういう環境要因だけでなく、人間の側にも要因がありそうだ、とお話しました。実はその要因の一つに「体温」という問題が横たわっているのです。

昨年夏の7月から8月にかけても何回かのシリーズで、夏バテ対策の一環として「低体温」の問題を取り上げました。夏バテや熱中症に罹りやすい人によく見受けられる特徴の一つとして、体温が低い、体が冷えている、という事が挙げられます。人間の体温は36.5℃前後に設定されていますが、35℃台の人が増えており、34℃台も珍しくありません。そのような低体温では、暑さや温度変化に弱くなってしまうのです。
体温の低さとともに「汗をかけない」人も増えてきています。冷房の効いた部屋で一日中過ごしているため、結果として汗を「かかない」傾向があるだけでなく、暑い環境や運動などの温熱刺激を受けても、容易に汗を「かけない」人がたいへん増えているのです。汗をかかないだけでなく、汗を「かけない」事が常態化すると、とりわけ暑い夏場に様々な健康上の問題点が顕在化してきます。

体温が低くて汗をかけない状態が続くと、具体的にどのような不都合が生じるのでしょうか。汗という物はベタベタして嫌だという人が多く、また臭いの元ともなるため、ともすれば厄介者扱いされがちですが、汗という物は元来「体の熱を冷ます」という大切な役割があります。もし充分に汗をかけない状態が続くと、異常な暑さのなかで効率的に体を冷ますことが出来ないために、暑熱による障害が起こりやすくなります。
すなわち猛暑日のように異常な暑さ、或いは運動中に体温が急速に上がった場合に、本来ならば速やかに汗をかいて熱を冷ますべき場面で、汗をかけないばかりに熱が発散せず、体温が異常に高くなってしまいかねません。これが嵩じると中枢神経をはじめ全身各所に障害が生じ、一連の「熱中症」を発症しやすくなるのです。このように汗をかけないという事は深刻な健康障害を招き、場合により命にも関わってきます。

汗をかけないことは、実は回りまわって「夏バテ」にも繋がってきます・・(続く)

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2017年6月 6日 火曜日

「暑く長く」なる夏!熱中症&夏バテ急増の真の原因とは?

吉野です。こんにちは。蒸し暑い日が増えてきましたが、皆さんお元気でしょうか。

6月に入り、関東でも梅雨入りが秒読みの段階となってきました。5月末は各地で30℃前後という真夏並みの暑さとなり、早くも夏バテ気味の方が続出していましたが、そのような真夏の「予行演習」も一段落となり、雨雲の発生が盛んになってきました。実際に数日前にも、晴れていたと思ったら急に空が暗くなり、いきなり雷鳴とともに大粒の雨がゴーッと降ってきました。いよいよ日本版「雨季」の始まりが近いようですね。
また雨の日は別にして、日差しがとても強くなっています。真夏を前にして、色よく日焼けしている方も目立ってきました。それと並行して、吹き出物など肌荒れの悩みを抱える方の来院も少なくありません。いうまでもなく6月は最も日が高く上がる月です。日差しも当然強烈になり、気温の上昇と伴に汗の量も増えるため、肌のトラブルが発生しやすくなるのです。

前回のコラムでは、7~8月の本格的な「盛夏」を迎える前のこの時期に、猛暑への対策を取っておいた方が良い、と説明しました。今は暑くなるといっても、せいぜい30℃前後であり、さすがに35℃以上の猛暑日とはなりません。また朝晩は20℃前後またはそれ以下まで冷え込み、熱帯夜ともなりません。すなわち暑さには未だ余裕があり、対策も取りやすいのではないかと思うのです。
梅雨明け後の本格的な暑さを迎えてから暑さ対策を考えても良いのではないか、という見方もありますが、35℃前後の猛暑、夜も25℃以上の熱帯夜となってから取れる対策は限られてきます。猛暑の中でのスポーツというのも危険性があります。従って気候的に余裕のある今のうちに「暑さに強い体」を手に入れておき、いよいよ猛暑となったら熱中症にならないように注意して過ごす、という2段構えの対策が望まれます。

それにしても近年の夏は、暑さの程度が以前よりもたいへん厳しく、なおかつ持続期間がとても長くなってきています。35℃以上の「猛暑日」は、私が子供の頃などは滅多になかったのですが、近年は各地で競うように猛暑日のオンパレードです。年によっては40℃越えの「超猛暑日」も散見するようになりました。夜の暑さもひどいもので、最低気温25℃以上の「熱帯夜」が増え、時には30℃を越えることもあります。
暑さの持続期間もかなり長くなってきています。例えば5月は「初夏」と呼ばれ、カラッと晴れる事が多いのですが、以前ならば気温は20℃台前半に留まることが多かったものです。ところが近年は早くも30℃を超えるまで暑くなる日も散見するようになりました。同様に9月は「初秋」といって、めっきり涼しくなる頃のはずですが、最近はまるで真夏のような暑い日が9月、あるいは10月前半まで延々と続きます。

そのような近年の「非常に暑く長い夏」を反映してか、熱中症や夏バテに陥る人が年々増えてきています。統計的にも熱中症で救急搬送される件数は、年度による変動はあるものの全体として明らかに増加傾向ですし、臨床現場に於ける実感としても、熱中症や夏バテに起因する各種の体調不良に関する診察依頼や健康相談は、年を追うごとに増えてきています。
実際に蒲田よしのクリニックに於いても、とりわけ急に気温が上がった日やその翌日を中心に、「暑くて体がだるい」とか「食欲なくてフラフラする」などと訴えて来院する方が大勢おります。多くの方がプラセンタ注射やマイヤーズカクテルなどのビタミン点滴を受け、人によってはビックリするほどの改善が見られますが、このような体調不良は繰り返しやすく、暑くなるたびに訪れてくる「常連さん」も少なくありません。

さてそのように夏の暑さが過酷となり、また熱中症や夏バテにかかる人が増えている原因としては、何が考えられるでしょうか。よく指摘されるものの一つが地球の「温暖化」です。二酸化炭素(CO2)排泄量の増大などを背景として地球全体の平均気温が上昇しているのは確かで、日本だけでなく世界各地で高温に起因する異常気象や海面上昇、大型台風などによる風水害が発生しています。
都市部を中心とした「ヒートアイランド現象」もこれに拍車をかけています。東京などの都市部に於いては、人口集中やエアコンの普及、自動車など交通の発達、高層ビルの乱立などの要因により、気温の上昇が周辺部に比べ著しくなっています。真夏日の日数は、ここ30年で倍以上となった地域が多数あります。真夏の東京や大阪ではビルからの排熱が街中にあふれ、深呼吸するのも楽ではないほどです。

とはいえ熱中症や夏バテにかかる人が激増しているのは、地球温暖化やヒートアイランド現象による気温の上昇だけでは説明がつかない、というのが現状です。というのは、都市部に負けずに郊外や地方に於いても熱中症や夏バテは多発していますし、猛暑とはいえない5~6月や9~10月にも罹患者が少なくありません。さらに以前は子供や老人が中心だった罹患者が、近年では勤労者などでも明らかに増加しています。
そうだとすると、気温の上昇といった環境要因だけでなく、我々人間の側にも熱中症や夏バテに罹りやすい要因がある、と考えた方が妥当かと思います。すなわち同じ夏の暑さでも、熱中症などに罹りやすくなってしまったのです。実際に高齢者は平気でいる一方で、若者が夏バテで寝込んでいる、などという「逆転現象」も方々で起こっています。なぜ現代人は、暑さに弱くなってしまったのでしょうか。

夏バテになりやすい人を観察していると、幾つかの特徴が見てとれます。それは一つには「低体温」があります・・(続く)

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