院長の健康まめ知識

2017年5月16日 火曜日

オメガ3不足・オメガ6過剰で花粉症増悪!適正な比率は?

吉野です。5月の大型連休は、旅行などでお出かけの方も多かったのではないかと思います。皆さんは連休を如何お過ごしでしたか。今年の連休は概ね天候に恵まれ、各地の行楽地も大勢の方々で賑わっていた模様です。桜に代わってツツジや藤などの花々も咲き誇っており、今まさに春らんまんの風情ですね。
一方で、行楽地へ向かう道路などの過酷な混雑を敬遠し、敢えて遠出しないような方も少なくありません。実際に私自身も経験がありますが、大渋滞に巻き込まれ、深夜に疲れ果てて帰ってくる方も多いものです。5月の連休に限りませんが、旅行や遠出の影響も重なり、生活パターンが乱れがちになる事が多いものです。具体的には、睡眠時間や食事の時間が少しずつ後ろにずれていきやすいのです。

こうした連休による時間的な乱れは、体調にも微妙な影響を及ぼすことがあります。例えば、軽い「時差ボケ」のような状態に見舞われることが少なくありません。海外旅行をした場合だけでなく国内旅行、或いはさほど遠くへ出かけなかった場合であっても、就寝や起床の時間がだんだん遅くなると、連休明けには「体内時計」が平常より何時間か遅れてしまうのです。
そうすると海外渡航と同じように、日中の眠気、だるさ、頭重感、夜間の不眠、憂うつ感、めまいなど、様々な症状を招きやすくなります。そのような状態での連休明けの仕事は、本当にきついものです。仕事の効率は上がらず、はかどりません。結果的に残業となってしまいがちです。また業務上のミスが出やすくもなります。人によっては、毎日の出勤が憂うつなものになるかも知れません。

5月の連休明けといえば、以前より「五月病」と呼ばれる一種の体調不良およびメンタル不調が、連休明けあたりから急増することが知られています。特にかかりやすいのが新入社員など若者で、連休疲れも影響した或る種の「怠け病」などと揶揄されていた時期もありましたが、大型連休明けに体の怠さ、めまい、憂うつ感、頭痛、不眠など様々な体調不良に陥り、仕事や私生活に深刻な影響が加わる場合も少なくありません。
それでは五月病の原因とは、いったい何でしょうか。一つには春先や4月の新年度に於ける、就職や昇進、転勤などの環境変化が関係していると言われます。就職などのイベントは、もちろんめでたいことではありますが。一面では強いストレスになり得ます。生活パターンや人付き合いなどが大きく変化し、適応するのにパワーが必要だからです。このような環境変化があった場合には、体調管理にも一層の注意が必要です。

そのような環境変化のあった方でなくとも、春先から連休前までという年度の変わり目に、仕事などで頑張り過ぎた方も注意が必要です。年度初めなどからトップスピードで仕事や活動をすると、ちょうど連休に入るあたりで疲れが溜まってくりものです。そこへ前述のような連休中の生活パターンの変化が加わると、連休明けに一気に心身の疲労が噴出し、五月病特有の症状が出やすくなる、という訳です。

五月病を含む季節性の体調不良、メンタル不調は重要なテーマですので、近い将来に詳しく解説したいと考えております。

さて前回のコラムでは、風邪や花粉症などアレルギーを予防する上で、摂取する脂質の「バランス」が大切であること、しかし現実には、そのバランスが乱れがちであること、などをお話しました。具体的には、植物油には大きく分けてオメガ3系とオメガ6系とがあり、そのバランスがとても重要なのですが、我々の多くはオメガ6系に偏った摂取となってしまっているのが実情です。
オメガ3とオメガ6とは、どちらも体内で合成できない「必須脂肪酸」です。従って両者ともに一定量を摂取しなければならないのですが、どちらかに偏ってしまうと健康上の様々な問題が生じます。その適正な比率は、オメガ3対オメガ6が1:2以下、理想的には1:1が良いとされています。ところが実際には多くの場合、1:5から1:10、著しいケースでは1:20まで開いてしまっています。

そのようにオメガ6に偏ってしまった場合、どのような弊害が生じるのでしょうか。例えばオメガ3は組織の炎症を軽減させる作用があるのに対し、オメガ6は反対に炎症を増強させる、という相反する性質があります。そのために、オメガ3が不足しオメガ6が過剰な状態では、アレルギーを含む各種の炎症が悪化しやすい傾向がみられます。結果的に、喘息や花粉症などのアレルギー疾患も増悪しがちなのです。
一方でオメガ3は細胞膜や血管を「柔らかく」する傾向があるのに対し、オメガ6は細胞膜や血管を「硬く」する傾向があります。一例として、オメガ3は動脈硬化を抑制するのに対し、オメガ6は反対に動脈硬化を促進します。従って、オメガ3不足でオメガ6過剰の状況では、動脈硬化が進展しやすく、脳梗塞や心筋梗塞など動脈硬化性疾患の発症や再発、増悪に繋がりやすいとされています。

このような現状がある限り、オメガ6系油脂をできるだけ減らしてオメガ3系油脂を積極的に摂りたい所なのですが、前回のコラムでお話した通り、市販されている植物油の大部分はオメガ6が主体です。その中にあって、その比率を少しでも適正な1:2以下、可能ならば理想的な1:1に近づけるためには、現実的にどのような工夫があるのでしょうか。

その基本は何といっても「徹底した減油」と「魚介類の摂取」です・・(続く)

投稿者 蒲田よしのクリニック

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